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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

もう一度 何時かを信じる頃 5  

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夏の空は 見とれてしまうよ。

学園モノ続きです。

下記からどうぞです。


   もう一度 何時かを信じる頃

 走る 走る 走る 
重い肉体を置き去りにして 心は軽やかに走る。

「苦しい… もう ムリ…。」
冬湖はゼイゼイと苦しそうな 荒い息遣いで 強い日射しが照り付ける運動場の片隅で 膝を投げ出し座っていた。
「ごめん 受験生なのに無理させちゃったね 其処の木陰で休んで。」
鳥が 気遣い…

走りてぇーーと 腕を振り回して騒ぎ出した芳井に 冬湖も付き合わされて 軽く走ってみたのだが
運動からは遠ざかっている受験生の為か いや 普段から運動から縁遠い為か すぐに息があがってしまう。

強い日差しがジリジリと肌を焼き 蝉さえも鳴く事を止める昼下がり。
雨を含んだ風が重く 肌に纏わりつき より一層 夏の匂いが立ち上り 息苦しい。

単なる見学者ですからと走る事を拒否したオレは トボトボと 無造作に手足を投げ出し座っている冬湖の傍まで歩き
持参した アイスティーを手渡す。
冬湖は 紙コップを受け取り ゆっくりと飲み干す。
「苦いね。」

オレは 何がと問いたかったのだが 問えなかった。 

運動場を幾周か走り 満足したのか 芳井が満面の笑顔で走って来て 地面に手足を投げ出す。
「おおっーー すっげえ空だなぁ。」
芳井は オレ達にも 寝転がれと促し…
オレと冬湖は 恐る恐る 陽射しで滾る様に熱い地面に 手を足を延ばして…

「すっげえ 綺麗だろう。」
芳井の言葉は 何時も単純で そして 嘘がない。
「んっ。」
冬湖の言葉は 何時も何時も真摯で重い。
「雲の流れが速い 雨が近い そろそろ 帰って受験勉強の続きだな。」
オレの言葉は 何時も感情を裏切り 嘘ばかり。

「雨が近い 冬湖も 雨が降り出す前に帰れよ。」
もう少し 木陰で休んでから帰ると言う冬湖を残して オレは芳井を急き立てて家路を急ぐ。
「ああっ 楽しかった。」
何のために 高校へ行ったのかを忘れたかのように 嬉しそうな芳井。
「あの高校なら きっと冬湖も大丈夫だよ きっとな。」
芳井は 笑顔で振り向きながら… 冬湖の為に無理やり入り込んだのか。

オレは 言葉では表現できなくて 唯 ああっと 頷いていた。

 
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category: 何時か

コメント

高校の頃は、運動賞が広くて、「長距離」が必須でした。
で、「当時は」心臓が小さかった(と思う)ので、1周(1キロ?とにかくグラウンド広い❗)すると死ぬ程きつかったです。それが2、3周ですね。
60才を超えた女性の体育の先生で戦争体験者で「そんな事では丈夫な子は産めない、女は子供を産むのが仕事です☆」と厳しく言われて無理して走り続けました。
今、考えても「あれは何だったのだろう・・・」という不思議な経験でしたね(笑)。
自分の訓練が足りないと本当に反省しましたが、あのカリキュラムは凄かったですねwww。
今はやっていないみたいですが(byアキによる。)・・。
元藩校で体質が古かったですね、今は普通の「進学??校」になっているみたいです。

走るのが好きな人は、身体の構造もちょっと違うと思いますよー。
羨ましいですね。
走った後の冷たい飲み物。。。いいなあ〜☆

URL | ペチュニア #-
2014/08/03 11:10 | edit

走るシーンって

本当にまぶしいですよね。
そう言えばわが愛する村下孝蔵さんの『初恋』にもありました。放課後の校庭で走る君……学園世界の王道ですね!
私も走るのが得意な人間ではなかったので、走る姿には憧れます。
だから冬湖がすっかり鳥女史に惹かれてしまうのも分かるなぁ。
で、少年たち! いいですね。恋愛と仲間・友人への感情のラインなど曖昧だったあの頃……
どうなるのかな~~

URL | 大海彩洋 #nLQskDKw
2014/08/03 17:39 | edit

何だか、まぶしくて、そのぶん切なくなる、思春期独特のシーンですね。
自分たちが今、どこに向かっているか分からない漠然とした不安があって。
3人が3にんとも、少しずつ違う表現で立ち向かっている。

木津川くんは、少し寂しいのかな。やっぱり。
そんな気がすごくしましたね。

URL | lime #GCA3nAmE
2014/08/03 18:42 | edit

ペチュニアさん へ

 こんばんは。
ああっーー 僕が通っていた小学校は 百数十年という古い学校だったのですが… 確かに走るの好きですね。
冬場は 只管マラソンがあり マラソン大会があり… 凄く走っていた記憶がありますね。

確かに 走っているとハイになると言うか なんか楽しくなると言いますからね。
走るのが好きな方って 体が違うのか 脳が違うのか… 確かに 気持ちよさそうに走れる方は 羨ましいですね。
そうそう 咽喉がカラッカラの時の冷たい一口 美味しいですよね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。 

URL | ウゾ #-
2014/08/03 18:47 | edit

大海彩洋さん へ

 こんばんは。
うん 走るって 確かに学園モノの定番 いかにも 青春って感じですよね。
無意味に走れるのが 此の年齢って感じがしますよね。
大人になると目的がないと 走らないイメージがします 実際は如何なのだろう。
むさ苦しいオッサン連中が 意味もなく 唯走るってのも面白そうだけど。

そう 少年たちにとって 冬湖は好きか問われたら 好きだと答えるが 其の好きの種類が曖昧なのですよね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/08/03 18:55 | edit

lime さん へ

 こんばんは。
うん 木津川はね… 此の三人の中では 一番の努力家で 一番品行方正で… 型にはまってしまう自分を嫌っていて。
其の為 冬湖や芳井が 何となく羨ましくて 何となく惹かれてしまう。
うん 実は一番葛藤しているのは 木津川なのかなぁ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/08/03 19:02 | edit

20:39に拍手コメント頂いた方 へ

 こんにちは。
うん やっぱり夏は 照り付ける太陽と入道雲 蝉の鳴き声 此れだよね。
此処数日 雨が降って涼しいけど… アイスが美味しくないよ。
やっぱり 暑い中で食べるアイスは格別で それがないと 夏の楽しみが 少し減ったように感じてしまうよ。

拍手コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/08/04 12:01 | edit

>芳井の言葉は 何時も単純で そして 嘘がない。

>冬湖の言葉は 何時も何時も真摯で重い。

>オレの言葉は 何時も感情を裏切り 嘘ばかり。


 ↑ の 見事に簡潔にタイプを言い表したとこが好き!


そして、
    「・・・・・。」

  ウゾさん、、、
    あんたは、人生経験豊富、
       いや悟りを開いた老人かぃな~~(笑

URL | レイまま☆ #-
2014/08/05 14:28 | edit

レイまま☆さん へ

 こんにちは。
うん 取り敢えず 芳井は癒し系 冬湖は少し天然不思議系少女 木津川は真面目な努力家の優等生って 感じかなぁ。
冬湖のと言うか 此の年ごろの少女特有の 無垢さ妖しさと 妙な存在感を書きたいのですが 中々難しいですね。

あははっーー つい最近まで中学生でしたからね 此の三人に近いのですよ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいでする

URL | ウゾ #-
2014/08/05 15:35 | edit

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

 |  #
2014/08/05 19:10 | edit

感慨深いと感想はでてこないものですが。
それが表れているのもいいですね。
運動は日々大切ですね。
私も毎日やっています。
( 一一)

URL | LandM #-
2014/08/06 21:49 | edit

LandMさん へ

 こんにちは。
うん 主人公たちは中学三年生ですからね。
まだまだ 言葉足らずで 上手く自分を表す術をもってなくて そーゆー感じですね。

うん 適度な運動は体調よくなりますからね 大切ですね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/08/07 11:34 | edit

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