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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

蜜柑色の扉  

PC310007.jpg

久し振りの最新もち姫ーーー
毛布に潜ろうかと思案中。

蜜柑色の扉 続きです 何かね 時間が空いたためか 一回目書いた時とは微妙に変わってしまったよ。

下記からどうぞです。

      蜜柑色の扉   下

 蜜柑色の扉の前に 悠然と腰をおろし佇む其の人物は 扉の番人なのだろうか…

私は 思わず苦笑を漏らす。
此れは夢なのだから 意味を求めても仕方がないのに 私は何を真面目に考察しているのだ。

見知らぬ女性が軽快な足取りで 蜜柑色の扉へと走り寄り 何の躊躇いもなく バタリと扉を開き 向こう側へと
走り去って行った。
そう 何処かへと…
背の高い草が 波をつくりうねる。 
何もない草原にぽつりと立っているだけの扉なのに 扉を通り抜けた女性は いなくなってしまった。 
まるで 以前読んだ児童向けコミックの未来の道具のようだ。
そして 腑に落ちないのだが その女性は 扉の前に茫然とたたずむ私を押しのけ 
番人に注意を払う事もなく まるで 見えていないかのように。

私は困惑し… 夢の中でありながら理論的な答えを求めて 目の前の扉の番人らしき人物を見詰めていた。
番人が 微かに視線を合わせて 小さく溜息を吐き出した。

「迷っているのですね」

説明を求めていたのに 反対に問い返されてしまった。

「えっ…」

私の困惑は 余計に深まって 何を言ったらいいのか 結局何も言えなくて無言になってしまった。

「思い出せないのですか あなたが何をやった為に 此処にいるのか。」

私は… 毎日惰性で続けている仕事から帰り 冷めて冷たくなった食事を自分で配膳し 食器を片付け
既に会話のない家族に 一方的に会話を投げかけ 風呂に入り
今の生活で たった一つの楽しみ 眠る事を…

そうだ 私は もう起きたくなかった 終わりにしようとした。

「そう 思い出したか あなたのした事を そして 結果を。」
番人の声音が 母が許している様な 父が叱責している様 妻が呆れている様な 
私の中の 色々な記憶に重なる。

「私は 死んだのか。」

「いや まだ死んではいない まだ引き返せる。 迷っているから 見えている。」
番人は 学校を卒業以来会っていない幼馴染の声音で 応える。

「如何したらいい…」

「時間はまだある 心のままに決めればいい 自身の行く末を。
決まれば扉を開き… 扉が導いてくれる。」

私は そういえば あのシリーズの小説の最新刊が十八年ぶりに発売されると宣伝されていたな…
どうせ また 発売延期だろうけど…

「帰ります。」

「そうか。」

「一つ教えてください あなたは何ですか。」
私は 気になっていた事を最後に聞いてみた。

「そう 神と呼ばれた事もあるし 悪魔と呼ばれた事もある。 時代と場所によっては
死神であったり天使であったり… 
私は応えてくれるとは思っていなかったので 聊か驚きながら 扉を開けた。

番人は 再び静かになった草原を見渡す。
誰かが 走ってくる 軽快に飛ぶように…

「実は 私は迷いそのものなのですよ。」

 
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category: 色とモノ

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コメント

そうか、ここは自分から死を選んだ人が、もう一度考える場所なのですね。
本当にこうやって、いったん立ち止まって考えられる場所があったら、救われる人もいるのでしょうか。
今日ニュースで、昨年の自殺者は、分かってるだけで3万人弱。3万を切ったと喜ばしげに語られていましたが・・・そんなに多いとは、ショックでした。
引き返すことが出来たら、この人は、何か新しい生きがいを発見できるといいですね。

URL | lime #GCA3nAmE
2015/01/15 19:08 | edit

何もかも捨てておさらばできたら、どんなに気楽だろう・・って思う時、誰にでも
有ると思います。
自殺・・「それは卑怯なんだ」って言う人が居るけれど、そうかな・・?
生まれてこのかた、自殺が卑怯だなんて思った事が無いです。
苦しみは色々あるからですね。
ただ・・いよいよ三途の川を渡るって言うときにこんな扉が有ったら、自分を客観的
に眺めれるかも知れないですね。
自殺を実行した事はないから、なかなか解らないですが・・・。

URL | ペチュニア #-
2015/01/15 23:37 | edit

limeさん へ

 こんばんは。
毎年 三万人ですからねーーー 小さな町が一つ消えてしまう程度の人数ですからね。
そう この男性は迷っているから 扉の番人のような人物が表れたのでしょうね。
何のためらいもない人物は 迷いである番人に気付く事無くいってしまう。
自分から積極的に引き返したのですから 其の気持ちを忘れなければね…

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/01/16 18:36 | edit

ペチュニア さん へ

 こんばんは。
そうですよねーーー 自殺と言うか 安楽死が認められたら 其れが生きていく上での希望にもなりそうな…
自殺が卑怯か… 別に卑怯と言われても 逃げ道があるからなんとか生きているってのもあるからね。
自殺って周りに凄く迷惑かけるし 色々と負担もかけるからね。
自殺を思い止ませるのが 周りの事を考えてだろうし…
まぁ こーゆーモノが見えたら 迷っているのでしょうね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/01/16 18:46 | edit

人は迷うものです。
迷うからこそ、人は神にも悪魔にもなれる。
ふうむ。色々教えてくれる小説でしたね。
ありがとうございます。
(-.-)

URL | LandM #-
2015/01/17 11:35 | edit

21:15に拍手コメント頂いた方 へ

 こんばんは。
うん もう本当に高齢ですからね もち姫は…
やはりね 毛繕いも上手くできないから 毛並もボソボソになってしまっているよ。
それでもまだ 真っ白で可愛いよ。
そして 毎日お布団に入って来て 一緒に寝ているよ。
夜中に目が覚めると じっともち姫が見詰めていたりするんだよ なんかねーードキッと驚くよ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/01/17 20:41 | edit

LandMさん へ

 こんばんは。
うん 人は迷いますよねーーーー  何歳になっても迷うのでしようね。
その 迷う事を楽しめるようになると 人生はぐっと楽になるのかなぁ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/01/17 20:44 | edit

こんばんは

なるほど、そういう場所だったのですね。
お花畑の中に門があって、行こうと思ったらそこに死んだじいちゃんが立っていて「お前はまだ来ちゃいけない……」みたいな。
その門、ではなく扉に蜜柑色というのが何とも不思議な色合いに思えて、印象的でした。思い描いていた世界のなかに突然色が付いたような感じ。
蜜柑色、この色のイメージ、ちょっと不思議なんですよ。何で蜜柑色なんだろう、ウゾさんの中でこの色はどんなイメージなんだろう。でもなんて印象的なんだろう。
色シリーズ、今回もまた鮮やかに印象に残りました。

URL | 大海彩洋 #nLQskDKw
2015/01/17 23:00 | edit

大海彩洋さん へ

 こんばんは。
うん 何というか迷っている 本当は誰かに止めて欲しいから創り出した様な場所かなぁ。
蜜柑色って実際に和名としてあるのですよ。
橙色よりも 赤みが少なくて 鮮やかで明るくて… お日様にあたっている蜜柑の皮の色って感じですね。

うん なんかねーーー 蜜柑って 日本の冬場の代表的な果物で 冬場は何時でも 幾つか机の上にあったりして 凄く日常のモノなのですよね。
そーゆー色の扉が 凄く非日常的な処に立っている。
親しいような 近しい様な でも 余計に不可解のような… そーゆー感じですね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/01/18 18:59 | edit

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