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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

幽霊を待ち侘びて  

P4060111.jpg

何気ない電車の車窓に 桜の樹が見えると なんか小旅行って感じだなぁ…

取り敢えず 幽霊続きです。

下記からどうぞです。



 清々しい寂しさだな。
卒業式の後 記念の写真を撮る為に 校庭のあちらこちらで 歓声があがり…
私は 一歩離れた場所から 華やぐ彼ら 彼女らを眺めていた。

「先生も 一緒に写真撮ろうよ。」
私は幾人かの生徒たちに促され いまだ 堅い蕾のままの桜の樹の下に 佇み…

「いいモノでしょう 此の寂しさ 静かさ 三年の担当を持った教師だけが味わえる醍醐味ですよ。」
歓声が消えて だが いまだ熱気と歓声の残り香が闊歩しているような校庭で 頬を緩めて佇んでいる私に
例の学年主任が語り掛けて来た。
「そうですね 色々と感情と思い出が巡りますね。」
私は 自分でも意外なほど素直に 言葉にしていた。

私は 何気なく 素っ気ないほどに何気なく 心の奥底に澱のように横たわり 
偶に心の水面に浮かび上がってくる疑問を問うていた。
「不躾ですいませんが 主任 あなたは 山田君または桜木さんの一番の友達だったのですか。」
そう 生徒達が執り行う妙な行事に 学年主任と言う立場を超えて理解を示している様な感覚を持っていた。
それは 此の学校出身である学年主任は 此の行事に関わった事があるのではと言う結論に
私は至っていた。

学年主任は 微かに笑った様に見えた。
「そうですね 此の行事 奇妙で些か不気味に感じますよね。

山田君 そして 桜木さん 此の二つの名前から何を感じますか。」

私は 突然の突拍子のない質問に戸惑いつつも 思考を廻らせるが 何も答えが出てこなくて 無言で…

「そうですよね 極々普通の名前で 特別さが何もない だからいいのですよ。
此れはね 少年A 少女B と何ら変わらなく 匿名 ノーネイム 白紙 其の類と一緒。
だから 色々な正体がまことしなやかに 次々と生まれている。
曰く 二人は恋人同士だったとか 卒業できなかった人物だとか 毎年の様に色々と創り出され 
枚挙にいとまがない。」

私は 其れでも言葉を重ねて 此の行事はなんなのか知りたいと足掻いていた。
「では 幽霊は復活するというのは…
私には ゴードを待ちながらの あの演劇の様だなと 永遠に来ない 山田君を桜木さんを待っているように
感じるのですが。」

「来ますよ 待っていればね。」
学年主任は まだ進路先が決まっていない生徒の為の会議が始まりますから 急いでくださいと言って
去って行った。




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category: 幽霊を待ち侘びて

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コメント

卒業かあ

先生たちの方が、この山田君の行事になにか意味を見出そうとしているように感じられますね。
子供たちはもうすっかり、そのことはひとつの、思い出として整理していると思うのに。
巣立つこどもたちと、これからここで毎年同じ日々を繰り返す、先生たちとは、感慨もまたちがうのでしょうね。

URL | lime #GCA3nAmE
2015/04/12 09:57 | edit

lime さん へ

 こんばんは。
そうですね 学生たちは行事の当事者で でも先生は部外者ですからね。
こーゆーものって部外者の方が 気になってしまうのかなって感じますね。
学生達にとっては 山田君を待つことは まだ 続いていて 卒業は単なる通過点で…
でも 先生にとっては 新しい年には また新しい山田君が創られていく。
延々と卒業しない山田君…

此の幽霊話も 次回程度で終わります。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/04/12 21:08 | edit

18:36に拍手コメント頂いた方 へ

 こんばんは。
うん 殆ど誰も乗っていない電車だから 写真撮る事ができました。
靄が流れていて それの写真も撮ったのですが まったく撮れていなかった…
もう すっかり葉桜だよ… 学校もそろそろ本格的に 始まるからね…
でも すぐに家庭訪問があって 其の後はゴールデンウィーク。
楽しみだなぁ ゴールデンウィーク 特別な予定はないけど。

コメント有難う御座いました とても嬉しいでする

URL | ウゾ #-
2015/04/12 21:14 | edit

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