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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

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甘い記憶  

ame.jpg


lime さんの描かれたイラストで 掌編を書いてみました。
儚げで ファンタジーな色合いで 如何様なモノを書こうかと悩みました。
初めは 素直に童話風のモノを書こうとしたのですが いまいち纏まらなくて…

取り敢えず 下記からどうぞです。
 



      甘い記憶        

 そう 唯 安かったんだ 唯 其れだけ…

貴方好みの妖精を オーダーメイドで作り上げます。
全てのパーツもお好み次第 貴方は どんなコが好みかな。

給料三か月分の妖精と言った謳い文句を掲げて 人工生命体の妖精が市場を賑わしていた。
そう 差し詰め 高価な動く人形 又は 愛玩動物。
とても高価な為 買い求めるのは ある程度趣味に時間とお金を注ぎ込める輩 
そして 実用性のない高価なモノを買い求める 所謂 数奇者。
オレは そのターゲットにピッタリと当て嵌まっていた。

とは言っても… やはりかなり高価なモノで 華やかな工房をいったりきたりと ウロウロと優柔不断に歩き回っていた。
通りから見える様に 色々な試作品が飾られているのとは対照的に 片隅に隠される様に飾られている 
クラッシックと名付けられ 一体の妖精が置かれていて オレはなんだか惹きつけられて。
値段も 十分の一程度と破格に安く…
綺麗な硝子玉のような飴玉のなかに ちょこんと座り 下から見上げてくる妖精をまじまじと見つめ返した。
素材も造りも 一級品 一体一体オーダーメイドされたモノで 量産品にはない細やかさがある。
それにしては 此の安さは…

「如何ですか なかなかいいでしょう 性格も穏やかですよ。」
工房の主らしき人物が 後ろから声をかけて来た。

オレは色々と疑問が渦巻いていて 無言で その妖精を見詰めて…
妖精が はにかんだ様な 小さな微笑を浮かべている。

「ああっーー 破格な値段が心配ですか ぶっちゃけて言うと この子は中古品なんですよ。
別に 何か問題があって前の持ち主が手放した訳ではないのですが…
妖精は人工生命体ですからね 寿命は永遠… 持ち主はどうしても 先に逝ってしまう。
大概はね 妖精の記憶を消して 新たな持ち主へ 新しい妖精として買われていくのですが…
前の持ち主の遺言でしてね 記憶を消さないでくれと…
私としては 妖精の記憶を消してあげる方が 妖精も苦しまないし 新たな持ち主とも上手くいく。
如何かと思うのですが… 意向は無視できなくて 如何ですか。」

オレの母親は オレを馬鹿だと言って笑っていた この前別れた女は オレを気の利かない人と言って呆れていた。
やはり オレは馬鹿で気が利かなくて 呆れるほど弱いのかもしれないと。
オレはクラッシックを 連れて帰って来てしまった。

それからだ 毎週 飴玉が一つ 大層に梱包されて届く。
前の持ち主から 新たな持ち主のオレへの贈り物 此れも遺言で決まっていたらしく
突然弁護士が押し寄せてきて オレのサインを引っ手繰って帰って行った。

前の持ち主は 飴を持ち歩いている人物だったのかなんなのか 
妖精は 飴の香りが漂っていると 嬉しそうに にっこりとほほ笑む。
オレは それが嬉しくて 食べる事なく 毎週届けられる飴を 妖精のお気に入りの場所に 一つ一つと置いていく。
溢れるほどの飴に囲まれて 見上げてくる小さな妖精。

此の妖精の持ち主は 今はオレなのだから 記憶を消してもいいのだが… 
オレは前の持ち主が 記憶を消さなかった訳が 少しわかった様な気がする。


 
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コメント

わ~~♡

ウゾさん、書いてくださったんですね! 
とてもうれしいです。

なんだか、ウゾさんの文章の中にしみじみとしたものを感じます。
最初はちょっと妖しげに胸躍る、オーダーメイド妖精のお話……かと思いきや。
この主人公の目に止まったのは、いろんな思いをすでに持っていながら、自分を見つめる妖精。
ああ~、きっとこの子は、前のご主人にとてもかわいがられたんですね。
飴の甘い匂いが漂ってくる。
本当なら記憶を消して、まっさらな新品が欲しいと思うのが人の欲求なんでしょうが。
この子のためにも、前のご主人のためにも、やっぱり消さないであげてほしいなあ・・・。わたしならどうするだろう。
ちょっと考えてしまう、素敵な掌編でした。
また、リンクさせてくださいね^^

URL | lime #GCA3nAmE
2015/07/11 09:00 | edit

lime さん へ

 こんばんは。
予定では ファンシーでスィートな童話の予定が… 微妙なモノに化けてしまいました。

そうですよねーー 出だしでは オーダーメイド妖精の 少しおしゃまな冒険とか そう言ったもの考えますよね。
うん きっとね 前の持ち主は 凄く可愛がって大切にしていた 此の妖精を残して 先に逝ってしまう事が凄く気がかりで…
でも 安直に記憶を消してしまいたくはなかった。
それで 一種の賭けにでたのですよね 記憶を残している妖精を敢えて買っていくモノ好きは 自分のモノになっても記憶を消さずに残してくれるのでないかと。
飴を送ってくるのも 妖精の為でもあるが 新しい持ち主に対しての お茶目な賄賂でもあるかと。

あっー リンク ありがとね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/07/11 20:33 | edit

あ~

すごく可愛くて、そんなアイディアがあるのか、さすがウゾさん、と思いながら拝読したのですけれど…・・・・毎週飴玉が送られてくるという下りで、もしや前の持ち主は大阪のおばちゃん?と(亡くなってからでも、誰かに飴ちゃんをあげたい!)思ったら、何だかしょうもないことに嵌ってしまいました^^;
こういう人工知能、人工生命体……未来にはありそうですよね。本物のペットは、やっぱり大変だから、みたいな感じで。
と、そんなことはさておき、絵とものすごくぴったりと当てはまった素敵な作品でしたね。ウゾさんとlimeさんの見事なハーモニーでした。

URL | 大海彩洋 #nLQskDKw
2015/07/12 13:33 | edit

21:33 に拍手コメント頂いた方 へ

 こんばんは。
暑いねーーー そろそろ梅雨開けが近いのかな 今年の夏初めての蝉の鳴き声を聞いたよ。
近所の夏祭りで 花火を見に行っていたよ。

うん 飴が一つ一つと増えるごとに いい記憶が増えていくと素敵だよね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/07/12 21:39 | edit

大海彩洋さん へ

 こんばんは。
ああっーー いいですね 前の持ち主 大阪のおばちゃん説。
確かに 何故か大阪のおばちゃんって… 飴持ってますよね そして 全くの初対面でも 飴を配りだす…
キャラメルやチョコ ラムネではなく 必ず飴… フルーツ系か 蜂蜜系 または 黒飴。

うん ペットを飼う事の一番の大変さは 病気になる事ですからね。
病気になられると 精神的にも物理的にも辛いですからね。
其の点 人工生命体は病気にならないですから… もっと科学力が発達して 自然な感じの生命体を作れるようになると 人工のペットも一つの選択肢に…
いや もっと 発達してしまうと 人工生命体の恋人。オーダーメイド恋人。
うーーーんーーー 話が妙な方向にいってしまった。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/07/12 21:48 | edit

ああ

こんにちは。

なんだかウゾさんらしいお話だなあ。
ノスタルジックで、優しくて、少し哀しい。
limeさんのイラストのファンシーさが、このお話を被せると、ほんの少しだけセピアっぽいフィルターがかかって柔らかくなります。
そうしてからもう一度見ると、本当にぴったりですね。

楽しませていただきました。

URL | 八少女 夕 #9yMhI49k
2015/07/12 22:17 | edit

八少女 夕さん へ

 こんばんは。
ああっーーー 僕らしいですか。
もっと乾いた 馬鹿馬鹿しいお笑い系を書いてみたいのですが なかなかですね。
凄くファンシーなイラストなのに 意外にファンシーな話が思いつかない 不思議なイラストですよ。
各人が色々と思いをめぐらせることができる 面白いですね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/07/13 21:51 | edit

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