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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

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百花繚乱の終焉  

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百花繚乱 続きです。
今回は ナオミとマユ 会社員の二人組です。

下記から どうぞです。



       百花繚乱の終焉    昼休み

 ナオミは何時もの定食屋の何時もの席で 変わりばえのしない 
しかし 安定した美味しさのある定食を楽しんでいた。

「あっ 今日は揚げたイワシのマリネなんだ。おいしそう おじさん私も同じモノを。」
同僚のマユが相変わらず 遠慮とか配慮とか言った類から程遠い態度で 当然の様に 短い昼の休憩時間を
一人で楽しんで私の前に どかりと座る。

松の実や白ワインビネガー それに薄くスライスした玉ねぎが食欲を刺激する。
「ああっー 昼からお休みならば 一杯飲みたいのに残念。」
マユは 配膳された武骨な皿に視線を注ぎ 豪快に食する。

「また 見てるんだね まるでマヨイガのようだね あの家。」
空中庭園 百花繚乱の花々が散り始めて表れた幻の家 ぼんやりと だが 何時の間にか其処にあるのが当然と。

ライムギパンが香ばしくて 思わずもうひとつと手を伸ばす。
武骨な 何の飾り気もない白いコーヒーカップに灌がれた おかわり自由の 一応インスタントではないコーヒーを
楽しみ。

「ええっ マヨイガって… 何方かと言えば反対でしょう あの家は。
山の中で迷子になり 辿り着いた家 しかし もう一度探しても けっして見つける事の出来ないのがマヨイガ。
あの幻は 何時でも見えているが 行き方が分からない…」

「朝髪の 思い乱れてかくばかり なねが恋うれぞ夢にみえける… 古い古い歌に…
貴方が夢の中にでてくるのは 貴方が私を思っているからなのかって 歌っている。
あの家は 誰かを思っているのかもよ。
マヨイガもあの幻の家も 何方も意志 思いを持っているように思えてね。」
マユは 目を眇めゆらゆらと揺れる微か輪郭を凝視し 何かを探しているかのように見つめ続ける。

 … 終焉の時は 目の前です 今こそ 大いなる意志に縋り…
 … 我々は 神の箱庭に帰れるのです あの百花繚乱の散華こそ 其の印…
 … 我々は許された 再び永遠の癒しを得て 腕に抱かれる…
二十人程度の老若男女が 幾枚かの看板を掲げて通りを練り歩く 昼の時間帯の恒例行事になっている。
以前は 確か 一人か二人程度だった列が ゆっくりと だが確実に人数を 不気味に増やし続けている。
ビラを撒くわけでも 声を荒らげ主張を繰り返す訳でもない 唯 看板を掲げて 行儀よく列を作り歩くだけ。
唯 それだけ。
既に 風景の一部のように溶け込んでいる。

「あーゆーのってさぁ 一人熱狂者がいると三十人の信徒がいて 百人の賛同者がいる 
今 其処を歩いているのは氷山の一角なんだろうね。」
マユが感情の薄い 少し呆れたようにボソリと呟き…
まるで テーブルクロスのシミの様だと ゆっくりと確実に広がる 気付いた時にはすでに 一面のシミ。
私は 些か暗鬱な気分を引き摺って 職場に帰って行った。



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category: 百花繚乱

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コメント

18:51 に拍手コメント頂いた方 へ

 こんばんは。
うん 少し紅葉してきたねーーー 桜の葉も赤くなっていたよ。
あちらこちらの庭先で 柿が熟していて 道端にぽたりぽたりと落ちている。
今日は 寒い曇りで 夕方から雨だよ 秋の冷たい雨だよ…
膝に猫を乗せて 温まっているよ 暖かい飲み物が美味しいねーー

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2015/10/12 21:42 | edit

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 |  #
2017/05/04 05:46 | edit

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