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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

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京都奇譚  

201601172128507a8.jpg


此の麗しいイラストは lime さんが描かれたもので。
此のイラストを使って 色々と想像を膨らまして遊んでみようと言った感じの企画です。
で 僕も 此れはと… 色々と想像力が暴走気味ですが 掌編と言うか… 
なんか 此処から話が始まるプロローグって感じですが書いてみました。

下記からどうぞです。




        京都奇譚

 「此れは 貴方の自画像ですか。」
足音もなく 一人の異邦人が一枚の妖艶な絵画の前に歩み寄ってくる。
ドイツ語で話し出したかと思うと ラテン語で詩篇を口遊み 英国人のような意味ありげな視線を送ってくる。
品よく仕立てられた洒落た上着に 二十代の顔立ち 三十代の声音 そして 百八十歳の鋭い眼光と英知…
掴み処のない しかし 抗いがたい魅力的な男性だと断言できるだろう。

「何故 確かにオレが描いたものですが オレは… 何よりケモノではない 尻尾もケモノの耳もはえていない。」
オレは酷い冗談だと 軽く受け答えし 行き場を失った両の手をコートのポケットに突っ込む。

その男性は ふっと笑って…
「私はね 知っているのですよ 貴方の御母上を。
丁度 此の絵画に描かれたような妖しい眼差しを持ちながらも 永遠の無垢なる少女の魂。
その脆いアンバランスさが とても美しかった。
此の絵画は 貴方の御母上に似ているが 御母上ではない そう まるで千年前の貴方のようだ。」
オレはあからさまに胡乱気な視線を 不躾に… 男はオレの視線に怯む事無く 視線を受け止め話を続ける。

「そう 千年前の信太の森 白く美しい狐 葛葉と幼い少年…
あの森で約束しましたよね 千年後迎えに来ると 連れて行ってあげると。」
その男は 神経質そうな筋張った手をオレの頭の上に置き 恰も子供にするように オレの頭をゆっくりと撫でる。

「よく 言いつけを守り頑張りましたね。」

オレは… 堰を切ったかのように言葉が溢れ出てくる 子供の様に。
「ほんとに ほんとに 約束通りに連れて行ってくれるの。」
オレは心の奥底の片隅に追いやっていた 果たされる事はないだろうと思っていた いや 約束した事じたい忘れていた。

「本当ですよ 其の為に来たのですから 晴明。」
其の男は ゆっくりとオレの手を握り 導く様に歩き出す。
「サンジェルマン 約束だね。」

そして 一枚の絵画から美しい妖狐が掻き消えるかのように 跡形もなく消え去り。
一時 解けないミステリーとしてネットを騒がす事となった。

 
  
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コメント

おわああ~

ウゾさん、早速物語にしてくださって、ありがとうございました!

すごい! やっぱりウゾさんの妄想力は、私なんかの遙か上を行きますね。そしてどんだけ引き出しが多いんですか。
この空間に、絵に描きだされていないもう一人の人物の物語を紡ぐとは。
ああ、この妖狐は葛葉だったとは。
そして幼い清明の約束。
しみじみと、不思議な感覚が湧き上がってきます。
そうですね、ここから始まる物語であり、ここで完結するものがたりでもある。
とても壮大な余韻を感じました。
素敵なお話、本当にありがとうごさいました。

リンク、朝の内に出来なかったら、今日帰宅してからの作業になります>< 待っててくださいね^^

URL | lime #GCA3nAmE
2016/01/21 06:59 | edit

lime さん へ

 こんにちは。
いえいえ 楽しく書かせて頂きました。

うん 此の妖狐は葛葉であり 幼い晴明であり… 手前の青年が千年後の晴明ってところですね。
妖狐の性別が不明気味 そして 妖狐と青年の瞳の色が似ている処から こーなりました。
白い狐で 葛葉では 安易な発想かなと 多少捻ろうとしたのですが あまり捻れてなかった…
サンジェルマン伯爵が約束を果たして 晴明を連れて行ったために 絵画から妖狐が消えてしまった。

うん なんか 此処から物語が始まったら 新たな地での冒険って感じだけど ここで物語が終わったら 青年の苦悩の話になるなぁーーー

此のイラストは色々と妄想が拡げられそうなので 皆さんがどのような話を書かれるか楽しみです。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2016/01/21 14:52 | edit

18:21に拍手コメント頂いた方 へ

 こんばんは。
あははっーーー 結末は少し意外でしたか 確かに 二人が何処かに行くと言った結末の方が余韻はあったかなぁ 無理やり現実に戻している様な感じがしたかも。
うん 一枚のイラストでも 人に拠ってまったく違った話がでてきますからね 面白いですよ。

週末の寒波 嫌だなぁーーー 最低気温 マイナス五℃とでていた… 寒そうだなぁ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。
 

URL | ウゾ #-
2016/01/21 21:02 | edit

おお

こんばんは。

ウゾさんらしい作品ですね。
そうか、葛の葉か。なるほどねぇ。
サンジェルマン伯爵まででてきてしまうところがまた、ウゾさんらしいですね。

京都ってこういうことが起こりそうな感じがします。


URL | 八少女 夕 #9yMhI49k
2016/01/22 05:10 | edit

八少女 夕さん へ

 こんばんは。
えっ 僕らしいですか うーーん 現実とファンタジーが混ざっている様な所がかな。
うん 時間とか空間とか無視できそうな人物って サンジェルマン伯爵程度しか思い浮かばなかったのですよね…
京都は なんか 現実と非現実の境界線が曖昧で 色々な妖とか怪とかが近い感じがしますよね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2016/01/22 20:49 | edit

おはようございます(*^_^*)

いや~、私も思わず、晴明をイメージしておりましたが、実は私の中の安倍晴明は妖しいイメージじゃなくて、おっチャン(だって…・・そういうイメージ画をみちゃったんですもの)。いや、もちろん、物語としては萬斎さんの晴明が一番ですけれどね、歴史的にはどうだったかなぁってすぐ考えちゃうのでした。
でもこちらのイラストでは、性別不明ってのがポイントで、それが物語性を引き出してくれていて、いい感じですよね。
サンジェルマン伯爵と結び付ける辺りはウゾさんらしいなぁと思いました。私の発想では清明(と葛葉)止まりでした……
でも、すぐそっちへ思いを馳せちゃう辺り、やっぱりウゾさんとは発想の方向が結構似ているのかも。ただ出来上がったものは……私のは完全にお遊びで(limeさんに怒られませんように)、ウゾさんのは素敵な幻想物語。あぁ、大人になるって悲しい……??
素敵なお話でした。堰を切ったように涙を流す辺り、いいなぁ~。寂しかったよね、1000年。

URL | 大海彩洋 #nLQskDKw
2016/01/23 09:22 | edit

大海彩洋さん へ

 こんばんは。
あははっーー 確かに晴明のイメージは… 僕の中では菊池さんの描いた あのイメージですね。
けっこうな おっちゃんでだらしない系。

うん どうしても時間と空間を自由に行き来できる人物は サンジェルマン伯爵しか思い浮かばなかったのですよね。
葛葉では安易かなぁと思って 玉藻前も考えたのですが… 此の人物も晴明がらみだしなぁ…と。

うん ほんとに 何故か発想の原点は似ていますよね それなのに 出来上がる作品はけっこう違う 其の辺りが面白いですよね。
大海さんの 一ひねりありウィットがきいていて 流石だなぁと あの柔軟さが大人の女性を感じさせますよ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2016/01/23 18:26 | edit

こんちは~

うむむ・・・繰り返しになりますが、ウゾさんの書かれる文章は深いです。
limeさんの描かれたイラスト、確かに妖しいですけれど、そこからこんなストーリーを描かれるとは・・・。
時間軸も登場人物?の繋がりも壮大です。
清明のイメージ、サキは持っていなかったのですが、これで固まったような気がしています。
イラストのイメージをとてもよく映し出した素敵な、そして不思議な作品でした。
作品の世界から出てこれないですよ・・・。

URL | 山西 サキ #0t8Ai07g
2016/01/24 13:13 | edit

山西 サキ さん へ

 こんばんは。
ああっーー ありがとうございます。
以前から 解り難いと言われ続けていますから 途中で読むのが面倒だと思われそうなのですよね。
うん 少し突拍子もない話なのですが 掌編と言うか 断片ですからね 遊んでみました。

皆さんがイラストのイメージから 一ひねりしているのに対して イラストから受けるイメージそのままで作品を作ってしまったのですが 京都って 少し時間も空間も交差しているような処ありますから こーゆーのもいいかなと。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。 

URL | ウゾ #-
2016/01/24 18:23 | edit

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