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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

豪華客船の旅  イニシエノコトバ 5  

ああっーーー そういえば ハロウィンまでに終わらせなければいけないんだったーーー
間に合うか ぎりぎりか… 危ないかも…

とりあえず 豪華客船の旅 続きです。





豪華客船の旅  イニシエノコトバ 

例の 落書きされた八枚の半にゃライダーのポスターに 新たに三枚バツ印が付けられ マジツクで書き加えられていた。
努力 愛情 平等と…
今まで落書きに書き加えられた言葉 勇気と正直を加えて すでに五枚のポスターにはバツ印がついている。

「では これは何を意味するのかな。」
ハロルドはプールの傍に寝ころび 色とりどりのフルーツと南国の花が盛られたガラスの器に手を伸ばす。
とろりと極上の甘味が喉元に流れ込んでくる。
実にきわどいブーメランパンツが陽に輝く。
「先生 質問ですーー。」
アルフレドが 茶化しつつも 本題に切り込む。
「なぜ この首謀者はこれ見よがしに ポスターに落書きをしているのだ あたかも 見つけてごらんと言っている様だ。」
アルフレドもフルーツに手を伸ばす さすがにこちらは 極々普通の水着に上着を羽織っている。
「アルフレド君 いいところに気が付いたね ただし その上着はいただけないね 無粋だよ。
この場では 肉体の美しさが最高の礼服だ 水着はただの肉体の美しさを際立たせる為のわき役だよ。
実に鎖骨や 背中のラインが美しい。」
ハロルドは プールを行き交う美女を視線で指し示し 人生最高の贅沢を楽しむ。
「先生 その薀蓄 長いのですかーーー」
アリアも茶化す。
明るい オレンジ色のバンドゥビキニに トップのフリル柔らかな素材のパレオが 実に華やか。
ハロルドは 二つ目のブラッドオレンジを頬張る。
「本題に戻るとすれば イエスであり ノーでもある。 一見露出狂じみた劇場犯罪のように見えるが おそらく
首謀者は犯罪とは思っていない それどころか善行 みてみて褒めて状態だな。
ほら 勇気 正直 努力 愛情 平等… これは 例の半にゃライダーの映画では 世界の危機に際して半にゃライダーに
力を与え 共に戦った八人を模しているのだろう。
これ程までに 分かりやすいのも… ある意味救い… 善行と思いつつも 止めて欲しい ヘルプを求めているのかもな。」

「誰を止めれば ワトスン君を取り戻せるのですか。」
縹色の 東洋の伝統的な意匠をワンポイントで加えられているだけの 実にラインが美しく
おそらく アリアの水着の数倍の値段がするであろう シンプルなビキニを身にまとっている。
ゾーラはプールにまで 半にゃライダーのぬいぐるみを持ち込み 精神安定剤 いや お守りのように持ち歩いている。
ハロルドは 大雑把な船の見取図を広げ 説明を続ける。
「ここが 我々が大いに楽しんだバーの場所 そして 客室に帰るために歩いた通り。この途中でワトスンは消えた。
そう 消えたかのように… 人ひとりを拉致し 悟られないように移動監禁する。
以前から囁かれていた噂 ある人物が乗船している 下部へは行く術がない… 誰も立ち入る事が難しい下部
人を監禁するには打って付けだ では どうやって その場所に辿り着くかだな。」
アリアは爽やかなピンク色に泡立つ 背の高いグラスに飾られたサクランボと蘭の花を指先でクルクルと弄ぶ。
「無理 出入り口のない下に行く術でしょう 無理だよ。」
ゾーラが心配そうに 半にゃライダーのぬいぐるみを抱き締め 小声で大丈夫 きっと大丈夫とつぶやく。

「そう 一見出入り口が見当たらない 公共の場所ではと言うただし付きではだ。
私的な場所 例えば 客室とかに出入り口が 下部への階段があったとしても発見できないだろう。
そして おそらく その魅惑の出入り口 禁断の階段があるのは…。」
ハロルドは バーから客室への帰り道歩いた辺りを指し示す。
「この船の大雑把な見取図でも この辺りは空白で何も書かれていないという事は 何かあるという事。」
アルフレドが 新しい玩具を見つけた子供の様に 嬉しそうに言葉を差し込む。
「そして 首謀者はそのあたりを根城にしている人物 おそらく例の博士 別名 Dr., strangelove ということですか。
目的は… 色々な動物が下にいるという噂 奴の今までの思考からして… 
奴のお気に入りを選別して… 現在のノアの箱舟でも目指しているのかな。」

「そのあたりは分からないが おそらく奴がこの神隠しめいた事件 下の動物ワサワサに関係しているだろうなぁ。  
では 後は… 奴をあぶり出して 直接聞きだすしか真相は分からないが ぬらりと逃げられるだろうなぁ。」
ゾーラがそんな…と心配で表情が固まっている。
ハロルドは 妙に不敵な表情を浮かべ ゾーラに直接語り掛ける。 
「奴が八つの善ならば 我々は七つの罪でワトスンを取り戻す。 曰く 狡猾と計略と 賄賂とはったりと悪趣味と・・・」

「それでは 遠足のはじまりだ。」
ハロルドは嬉しくてしかたがないと言った風情で 宣言した。

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