FC2ブログ

百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

英雄の躯の話を 裏切り者の魂が語る  6  

P6290096.jpg


暑いねーーー 
もうすぐ 夏祭りも始まるし 夏だなぁ…
期末テストが終わると もう 気分はゆるゆるーーー
授業も すぐに半日になるし
色々 やりたいのに 何もやらない けだるい夏休みの午後 ふっと 窓から
見上げた空が 妙に青くて… 夏休みの 最高の時間。


今日は オッサンノの続きです 今日で最終回です。
興味のある方は 下記からどうぞ。 




    英雄の躯の話を 裏切り者の魂が語る  6

 そう 此れが あの時だ。

英雄と詠われ 裏切り者と罵られる男が 悔い続けている あの時だ。

男は グラスをグイッとあおり 最上級の赤葡萄酒を 恰も 合成の薬臭い安酒の様に
飲み干し 
澱み 濁った 其の双眸から 一筋の感情が頬を伝い ぽたり ぽたりっと…
カウンターに広がる。

では …と 其の若い男は 言葉を紡ぎ 男が求めて止まない解答を指し示す。

「では フロスト大佐、その時に到れば 私の横に 立ってくれますか。」

男は 若い男の言葉の真意が計れず 酔いに翳んだ瞳で 其の若い男を無言で見返し
次の言葉を待つ。

「私を 解りませんか。」
若い男は 安っぽい薄暗い 電灯の下で… 其の若い男は 金銀妖眼だった。

「まさか 王女の息子なのか… しかし 王女は子供を生す事無く 病に倒れたと
伝え聞いているが…。」

若い男は 微かに笑ったように見えた。
薄暗い影が 恰も 意志を持った獣の様に踊る。

「ええっ 私は生まれて すぐに 廃嫡されました。存在しなかったと…。
此の 瞳の為に。」

男は 些か腑に落ちなくて 問い返す。

「其の瞳に対する 絶対的な 祈りの様な信頼。民の 其の感情を利用すれば もっと簡単に
この国を支配下に置き 利用する事が出来ただろう 何故 利用しなかった。」

「この瞳は 劇薬なのですよ。
だからですよ 劇薬は 使用方法が難しく 一歩間違えると 猛毒其の物へと変化する。
その様な 危ない方法ではなく 効きが緩やかであろうとも 無難な方法を選んだ。
唯 其れだけですよ そして 其の方法は 確実に成果を挙げている 御存知でしょう。」

男は 咽喉の奥底から 声を絞り出す。
「オレを 愚弄する為に 態々 表れたのか。」

「事実を述べただけです。
そして フロスト大佐、王女は 母は 敵国であろうとも 唯一人 立ち続けました。
王女として 王妃として そして 母として…
貴方の逃がそうとした 王女は もう あの部屋にいない 貴方は 王女の幻影から
解放たれていいのですよ。」

男は ゆっくりと言葉にする。
「そう もう あの時は 二度と来ない…。」

「そう あの時は もう 二度と来ない しかし…
私は この国を 母に 母の魂が安らぐ国にかえしたい その時 貴方は 私の横に立ってくれますか。」

男は 口の端を歪め 自嘲の微笑を浮かべる。
「オレは裏切り者だよ その様な役回りは 何処かの白馬に乗った騎士様に頼むんだな
オレのガラじゃねえよ。」

若い男は 些か挑発的に 嬉しそうに笑う。
「私は 敵国の この国の実質的な支配者の血を たっぷりと引き継いだ 憎むべき者ですよ。
裏切り者が 横に立つに 相応しいと思えますよ。」


そして 三年と八ヶ月後 
何処からともなく表れた 金銀妖眼の男の横には 裏切り者が 飄々と控えていた。

あの時が終り その時が始まる。    
スポンサーサイト



category: 英雄の躯の話を 裏切り者の魂が語る

コメント

素直に

愉しかったです
こんなに綺麗に締めるとは―
「オッサン、有難う。飲み過ぎるなよ」と云ってやりたいぐらい、オッサンでしたww
気が早いですが、次作が待ち遠しいです

URL | 十二月一日 晩冬 #-
2012/07/03 00:52 | edit

おおお。
なんかほっとしました。
やっぱり飲んだくれているだけじゃ、哀しいから。
オッサン、もう一花咲かせるわけですね。

でも、裏切り者って称号も、かっこいいなあ。

次作も楽しみにしています。

URL | 八少女 夕 #9yMhI49k
2012/07/03 01:55 | edit

十二月一日 晩冬 さん へ

 おはよう御座います。
愉しんで頂けれは 何よりです。
まぁ… オッサンですから 若い兄ちゃんに怒られながらも 酒場に
神出鬼没状態で 表れてそうな…
オッサン話は 次は 規模がでかくなるからなぁ… オッサン話は
次書くかは 不明 次は素直に 掌編書くと思う。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/07/03 06:47 | edit

八少女 夕 さん へ 

 おはよう御座います。
ええっ オッサンの飲んだくれ 後悔時間が終り 失った時間を取り戻すどが 始まります。
オッサン 敢て 積極的に 裏切り者として立ちます。
若くない 年老いてもいない 中途半端な年齢 ヒーローになれない 魔王にもなれない 中途半端な立場
其れでも 渋くカッコイイ 感じに書いてみたかった 其れがこの オッサンです。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/07/03 06:55 | edit

蒸し暑い部屋の中に、爽やかな空気が通りぬけて行った。
最終回読み終わった感想です。

学生さんはもうすぐ夏休みなのですね。
もう予定は立てているのでしょうか。
長いとついついだらりと過ごしてしまいがちですが、
大切につかって欲しいと思います。

ウゾさんは、そんな心配ないかな。

URL | NYANKO君 #5p4vzfrw
2012/07/03 09:16 | edit

NYANKO 君 さん へ

 こんにちは。
ええっ 夏休みですね…
結構 部活もあるし 夏休み中に登校日もあるし 其れなりに 学校に行きますね。
いえ だらけますよ 其れが 夏休みの醍醐味でもあります。
普段手を出さない 小説を読んでみたり 蝉時雨を聞きながら サイダーを飲んでみたり…
夏は 何気ない事が 楽しくてーーー 夏と言うだけで ワクワクしてくる。

そして 最後まで読んで頂いて 感謝です。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。 

URL | ウゾ #-
2012/07/03 11:28 | edit

こんばんは。

そう言う結末でしたか。
納得です。
希望のあるよい物語でした!
おっさん、アル中にはご注意を……ですね。

次回作に期待してます。
ではでは。

URL | 栗栖紗那 #T7ibFu9o
2012/07/03 20:10 | edit

栗栖 沙那 さん へ

 こんばんは。
飲んだくれた男の 陰々滅々とした話では 救いがなさ過ぎるので
このような 終り方になりました。
自分でも 甘いかなと思うのですが 物語なので シビアさよりも 爽快さを 重視しました。
最後まで読んで頂いて 感謝です。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/07/03 20:51 | edit

いいね。
希望のある終わり方。
それに意外な展開。
息子か。
楽しく読ませていただいたよ~。

夏休み待ち遠しいね♪
このお写真はお話にぴったりだ~。

URL | チビmomo #-
2012/07/03 23:31 | edit

チビ momo さん へ

 おはよう御座います。
うん 陰々滅々には したくなかったから。
この若い男は 初めから 王女の息子って設定だったのですが 初めに 金銀妖眼って書くと
オチが解ってしまうから 最後まで 書かなかった。
オッサン 息子が ある程度の大きさになるまで 酒に浸っていたのかと言う 疑問はあるが…
最後まで 読んで頂いて 感謝です。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/07/04 06:18 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://uzo242.blog.fc2.com/tb.php/233-84ffb42e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)