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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

ノスタルジック ワルツ  

えっと 少しの間 此の記事がトップに居座ります。
通常の記事は 此の下から始まります あしからず。


  月間 Stella 十月号 元気よく やっています!!!!! 
但し まだ 作品は出揃っていないかと…
十月に入れば 出揃っているはず。

20120907215857248.jpg

  僕の 参加作品は 下記から どうぞ。

   掌編 ノスタルジック ワルツ

    ハロウィンの夜 少女アリスが うらぶれた 探偵事務所を訪問する。
    帽子屋を 探して と…
 


     ノスタルジック ワルツ
  

  白い 白い 花弁が 降頻る雪片の様に 止め処無く…

  蓄音機が 奏でる 愛の歌

  音程の狂った ピアノ 気怠く歌い 呟く 幸せの青い鳥は 何処…

  少女は たおやかな 白い指先で 花を手折る             
             
      


 そう 魑魅魍魎が跋扈すると言う ハロウィンが見せた幻だったのだろうか。

雑居ビルの一角を占める オレのしがない探偵事務所 時間夢の蒼白き薔薇の扉を叩き
少女の依頼者が 訪れる。

まだ あどけない顔立ちに 女の表情を浮かべ
いかにもの 仕立ての良いエプロンドレスを身に纏い 流れ落ちる金の髪が揺れ動き…

アリスという名の少女が 嫣然と微笑み 言葉を解放つ。

「帽子屋を 探して欲しい」 と… 

つかつかと 小汚い 雑然とした事務所に 足を踏み入れ女王然とした仕草で
言葉を放つ。

「許せない 淑女の為に 椅子を引きなさい。
馥郁たる香りを放つお茶 そして 季節の果物の焼き菓子を用意しなさい。」

カタコトと 安定の悪い椅子に 悠然と腰を下ろし 徐に 一夜の幻が 幕を開けた。


 許せない、 ハンプティ ダンプティが 怪しいわ。
 何時も 何時も 塀の上から 私を見ている わざとらしく 転んだりして
 でも、チェシャネコ 彼も 挙動不審よ。
 其れとも ハートの女王の仕業かしら ヒステリックな性格だわ。

 唯 帽子屋は 私を待っているだけ…

深夜の訪問者は 些か 幼い仕草で 頬を膨らませ 言葉を捲し立てた。

オレは 軽く 溜息を一つ吐き出し 混乱する頭を左右に振り…

「お譲ちゃん しがない探偵の オレに 如何しろと言うのかなぁ。」

「頭が固いのかしら 探偵として失格ね。帽子屋を探して。」

オレは 如何したものかと 無言で 反応を戸惑う。

少女のアリスの瞳は 不遜に輝き 

「其れ相応の お礼は 用意したわ 後は… エスコートしなさい。」

少女のアリスは オレの手をとり 雑居ビルの ギシギシと虚しい音を立てる扉を開き
深い 深い ハロウィンの夜へと 踏み出した。 


  其の 口の端に微笑を浮かべた 青年は 少女の手に口唇を落す

  少女は 手折った 一輪の真紅を 青年へと

  守れ と

  お前は 私のモノだ と

  私より 早く 死ぬ事は 許さない と


真紅 深蒼 濃碧 ……
色彩が 降頻る 

少女 アリスは 手を伸ばし 掌に色を受け止め 振り仰ぐ。
フワフワの光の髪が 軽やかに踊り 花弁の様に ドレスが 緩やかに円を描く。

 「許してあげる、私と一曲 踊る 栄誉を。」

アリスは 女の表情で 少女のあどけない口調で 優雅な仕草で 手を取れと 差し出す。

 「其れでは しがない わたくしめと ワルツを踊って頂けますか。」

緩やかに奏でられる 馥郁たる響の香り。
幻が 妖が 魔が 怪が 壮麗なる 円舞曲を奏で 調べが刻まれる。


  少女の願い 連れて行って と

  私を守るのは お前だけだ と

  お前は 約束を破った 私をひとりにした。

  知っているか

  人は 死ぬ前には とても 穏やかで 美しい夢をみる

                 迷宮少女の庭先から 監督 ……  


アリスは ふっと 振り返り 駆け出す。
オレの手から するりっと 流れ落ちる水の様に 駆け出し…
小さく 幽かに嘯く  来てくれたのね。

掻き消えた。


そして ハロウィンの夜が開け 万霊節 死者の日が訪れる。

新聞の片隅には 10月31日の 深夜に 往年の大女優逝去と
ひっそりと 書き綴られる。
オレは 其の 素っ気ない記事に 視線を落とし 荒い画像の写真に見入る。

そうして 十一月 二日 死者の日
一人の 年老いた執事が オレの探偵事務所の扉を叩き 幻の終りを告げる。

「お嬢様の遺言に拠り 約束したと言う お礼をお持ち致しました。」

一本の フィルム映画と 其の映画の著作権を オレに譲り渡すという 書類一式。

其の 年老いた執事は 懐かしそうに微笑を浮かべ 言葉を綴る。
「お嬢様は こよなく 此の映画を 愛されていました。」

オレは 一つの疑問を 尋ねる。
「何故 オレを選んだ。」

執事は 些か驚いたのか クックッと悪戯っぽい 微笑を漏らし
此れは秘密ですよと応える。
「貴方が 三月ウサギだからですよ。
アリスを 愛しき帽子屋まで 案内する役目は 何時も 三月ウサギ なのですよ。」

冷たい 冷たい 秋の終わりの雨が 降頻る。
其の雨の向こうへと 其の年老いた男は 消えていった。



 
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category: ファンタジー

コメント

むむっ、これはいかんですな(笑)
これはウゾさんでしか出せない味わい深さ……幻想的情景のなかに、芯のある描写といいましょうか。これはいい。
ついつい、前もって探偵と聞いていたので、ロンドンのストリートを勝手に想像していましたが、アリスという少女が帽子屋を探して欲しい……途端に風景がより幻想的に。
探偵さんの貌、蝶ネクタイにジレか。
誰でも知っている児童文学に、女らしさを醸し出し、ワルツで飾りつけ、硬派に仕立てる。
これはいい。

URL | 晩冬 #-
2012/09/23 02:30 | edit

死者の日に、往年のアリスが訪れる。
それを発表する日がお彼岸。ウゾさん、すごすぎ。

私の中では、この作品のすべてがセピア色。
美しいアリスや探偵の事務所も、どこか曇った傷のある膜の向こうにかすんでいる。
ああ、なんて雰囲氣があって、素敵な作品なんでしょうね。

でも、探偵は三月ウサギなんですか?
氣が触れちゃっているの?

URL | 八少女 夕 #9yMhI49k
2012/09/23 06:26 | edit

十二月一日 晩冬 さん へ

 おはよう御座います。
いかんですかぁ!!!!!
うん 前もって 探偵と書いてしまったから 之は アリスと探偵の謎を廻る冒険譚と
思われているかなぁ…
僕に 推理モノは 書けないぞーーーーと 予告を入れたのは どうかなぁと…

初めは 東京の下町っぽく書きたかったのですが アリス
どうしても 金髪 そして ハロウィン 舞台 日本では無理か!!!!
でも ロンドンのイメージは 近いです。

ジレ いいなぁ 是非 うらぶれたた雰囲気で 身に纏ってほしい。
お祭り企画ですからね イラスト付けたかったのですが 無理 描けなかったです。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。 

URL | ウゾ #-
2012/09/23 06:33 | edit

八少女 夕 さん へ 

 おはよう御座います。
うーーん 実は 続きあるのですよ。
此の もらったフィルム映画 と 三月ウサギと言う 言葉の謎に付いて…
そして 何故 執事が 知っているのか。

流石に 時間的に 無理でした。
後半の方が 長いですからね。

ええ 有難う御座います 白黒フィルム映画の雰囲気を目指したので
雰囲気があると 言っていただいて 嬉しすぎます。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。  

URL | ウゾ #-
2012/09/23 06:46 | edit

こんにちわ
Stella参加ありがとうございます

流石ウゾさんww
この書き方は独特的すぎる
物語の流れともマッチしていて素敵です
ところどころ私の頭では理解できない文があったので、それは申し訳ない限りかなと
でも、ハロウィンだったら、来月号にしてほしいとは素直に思いましたww

以上です。

URL | 篠原藍樹 #iVT7Zno6
2012/09/23 15:49 | edit

篠原 藍樹 さん へ

 こんにちは。
いえいえ 参加させて頂いて 有難う御座います。

どうしても 時間が足らなかった様で 特に後半 文章の荒さが 否めないなと 反省どころです。
それで 解りにくい部分が あると思いますよ。
一応 ハロウィン 10月31日なので 10月号かなぁと
それと 日本の彼岸と 11月2日の 死者の日にかけたかったので 今日 掲載となりました。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/09/23 16:30 | edit

ウゾさん
上手いですねぇ
言葉の使い方とか、色んなのが

私の書き方とはぜんぜん違いますなぁ~
参考になる

URL | Fランナー #DNM/eCMo
2012/09/23 18:19 | edit

F ランナー さん へ

 こんばんは。
有難う御座います!!!!!!
でも 僕の書き方は かなり癖があるようで…
参考にするには 不向きですよ。

F ランナーさんの文章は 臨場感があって 活気があって 読みやすくて
いい文章じゃないですかぁ。
F ランナーさんの書く 小説の内容に とても合っていますよ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/09/23 18:58 | edit

はじめまして><同じく10月号に絵の方で参加させて頂いているcoralといいます
ブログ訪問ありがとうございます

ウゾさんの小説読ませて頂きました////
とても読みやすく、面白かったです。何より話に引き込まれました。
私は小説とか全然書けないので、本当に素敵だと思います
またこっそりのぞかせて頂きますね^^

ではでは、コメント失礼しました

URL | coral #-
2012/09/23 19:29 | edit

coral さん へ

 こんばんは 初めまして。
読んで頂いて 有難う御座います。
とても 嬉しい言葉です。

もう 一つ 二つ捻った方がいいかなとも 思ったのですが…
流石に 解り難くなるかなと 結構素直に 書きました。

僕のブログは 暇な時に 暇潰し程度にでも 訪問頂けると 嬉しく思います。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/09/23 19:58 | edit

こんばんは。

さすがウゾさんですね。
幻想の最中に見る過去の残影というべきでしょうか。
セピアに、モノクロに、しかし幻想的な色をまとう。
この味はウゾさんにしか出せません。
ハロウィンや死者の日、彼岸のような小道具がまたうまく効いてます。

惜しみない拍手を貴方に。

URL | 栗栖紗那 #T7ibFu9o
2012/09/23 20:14 | edit

栗栖 紗那 さん へ

 こんばんは。
有難う御座います。
ファンタジーでもないし 幻影奇譚という感じが 一番近いかなと 思っています。
僕らしいと言うのが よく解っていないのですが… 此の中途半端さが 僕の色彩かなと
ハロウィンが 10月末なので… 十月号でいいだろうかと 多少迷ったのですが
まぁ いいかと 結構 好い加減です。
栗栖さんの様な ラノベっぽい文章 難しいですね!!!!!
僕には 無理なようです。 

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/09/23 21:08 | edit

読みました

 どこか幻想的な雰囲気に心が惹きつけられました。
 登場人物たちのちょっとした仕草も、良い効果を生んでいたと思います。
 ただ、繰り返し読ませていただいたのですが、どうにも後半の運びが少々唐突な感じで分かりづらかったです。
 もし、機会があれば、書ききれなかった後半の部分についてもぜひとも書いてほしいなと思います。
 あと、細かいことですが、算用数字と漢数字が混在していたので、どちらかに統一した方がよいかなと思いました。それから、「お譲ちゃん」になっていた箇所があったので、あわせて指摘させて頂きます。

 興味深い作品を有難うございました。

URL | 夕月望 (sogetsu2) #-
2012/09/24 23:14 | edit

夕月望 (sogetsu2) さん へ

 こんばんは。
読んで頂いて 有難う御座います。

やはり 後半は練りきれてないですか 自分でも 文章の荒さが 否めなくて…
機会があれば 手を加えたいと思います。
そして 指摘有難う御座います。
算用数字と 漢数字の混在は 書けなかった後編で カレンダーの数字と
新聞記事を分けるためのモノだったのですが 後編 書けなかった為に
意味にない状態になりました。
そして お譲ちゃんと お嬢様の混在でしょうか???
此れは 探偵は 年下の 些か生意気な少女への 皮肉を込めた言葉であり
執事は 長年 仕えた 主人への敬愛を込めた言葉と 違いを持たせました。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/09/25 03:20 | edit

こんばんは。

なんて幻想的!!
どこからともなく、映写機の音が聞こえて来そうな、
古ぼけた赤の椅子に腰かけて、形の悪いポップコーンをつまみながら、白黒の画面を眺めている、そんな気分。

ウゾさんの書き方、すごく好きです^^
実は続きがあるとか。
読みたいなあ……(チラッ

いい作品をありがとうございました!!!

URL | スカイ #-
2012/09/25 19:14 | edit

スカイ さん へ

 こんばんは。
有難う御座います まさに 古ぼけた 映写機から映し出される
霧のかかったような かすみ ぼやけた雰囲気を目指していたので
嬉しい言葉です。

続きですか… そのうち 折を見て 隙を見て…
書く機会があれば 頑張って見ます。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/09/25 20:08 | edit

とてもウゾさんらしい、愛すべき作品ですね。
登場人物がみんな魅力的です。
いろいろと派生するお話を勝手に想像するのも楽しいです。
続きがまだあるのですね。
楽しみに待つことにします。

URL | NYANKO君 #5p4vzfrw
2012/09/26 22:54 | edit

NYANKO 君 さん へ

 おはよう御座います。
生意気な少女と 振り回されている探偵…
反感を買いそうな 感じもしますが 魅力的とは 嬉しい言葉です。
一応 前編で 後編は 此のフィルムと 三月ウサギという言葉の謎ですね。
一応 探偵が出ているので ミステリアスに書きたいのですが 中々 難しいです。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/09/27 06:09 | edit

読みました。

すごく幻想的な美しいお話ですね。
どこまでが現実なのかどこからが幻想なのか
見極める前にどんどん読み進んで終わってしまいます。
アリスの嫣然とする様、言葉を放つ様、言葉の内容、依頼、
抱いていたアリスのイメージとは違っていて素敵です。
そしてここの雰囲気は秀逸です。
そして後半は混乱です。
詩のように進んで行く文章に翻弄されます。
ようやく幻想と現実の断片をつなぎ合わせ、ストーリーを構築しようとして、
また謎に突き崩されるのです。
続くのですね?

URL | 山西 左紀 #0t8Ai07g
2012/09/28 23:18 | edit

山西 左紀 さん へ

 おはよう御座います。
読んでいただいて 有難う御座います。

アリスは かなり生意気な 反感を買うかなの スレスレの線ですね。
生意気で 素直 少女で 大人の女性 不安定な存在を目指しました。

ええ 後編は 謎解き編は 確かにあるのですが…
書くかどうかは 微妙です。
こーゆー 幻影奇譚は 解るようなわからないようなで 終わらせた方がいいのかなぁと…
其れとも スッキリと 最後まで書ききった方がいいのか 迷っています。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/09/29 07:05 | edit

こんばんは高橋月子です。感想お書きいたします。

ウゾ様、こんばんは。
高橋月子です。
作品読ませて頂きました。

読んで、うわーーーーーーー!!!!!!
って思いました。
実は高橋、不思議の国のアリス、大好きなんです。
ディズニーよりも、ルイスキャロルの原作派。
不思議の国のアリスも、鏡の国のアリスも、すっごく好きで、つい最近ムック本で出ましたバック付きの本も、もちろん予約購入です。
いつかイギリス行って本場のアリスショップ本気で行きたいって思っています。
作品の雰囲気、好きです。

正直、その若さでこの作品、凄いです。
素敵な物語、読ませていただきありがとうございました。
いつもブログにもご訪問ありがとうございます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

URL | 高橋月子 #-
2012/10/01 20:33 | edit

高橋 月子 さん へ

 こんばんは。
読んでいただいて 有難う御座います。

アリスが好きな方ですか… 凄くアリスが 生意気なので
不快を覚えたのではと 大丈夫でしょうか…
原作の アリスの挿絵 素敵ですよね。
あの 可愛すぎないアリス そして 脇役の面々 いい味出しています。
アリスの 謎掛けの様な言葉 其れに マザーグース いかにも
イギリスらしい 素敵な小説ですね。

いえいえ 読む方には 作者の年齢など 関係ないですからね。
若いからと言って 面白くないものを 大目に見てもらえる訳でもないし。
頑張って 年齢を言い訳にしなくていい様な 作品を書けるように 頑張ります。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2012/10/01 20:58 | edit

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