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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

美しい世界 美しい時代 狭間で零れ落ちる感情に気付く頃  

P3260162.jpg


尋青年 続きです。

興味のある方は 下記からどうぞ。




    
     美しい世界 美しい時代 狭間で零れ落ちる感情に気付く頃
    
 夢をみた。

冷たく重い 至極簡単に命を断ち切る事の出来る 鈍く光る金属を 其の両の掌に抱えて歩く。
渺々と広がる 砂の地から 緑滴る鬱蒼とした森へと足を踏み入れる。
絶対唯一の神 力こそが… 自然を従わせる 支配下に置く事こそが神である地から
神はあらゆるものの中に遍在する森へ。

森には 神は 何処にいるのだろうか。

鈍い光を放つ鉄の塊 銃は 此処では役に立たない 無用の長物でしかない。
身を隠す物陰はなく 襲い来る獣から身を守るのは 遠距離からの力 銃は絶対的な力だった。
其れなのに… 此の鬱蒼と茂る森では 視界は遮られ… 銃は 自身をも傷付けるかもしれない力。

「その鉄の塊を 一度溶かして 身を守りやすい小刀とするか 其れとも 別のモノへと再生させるか」
言葉が聴こえる 誰かが話しかけてくる。

「さぁ 其の鉄を使い易い様に作り変えてあげるよ。」
誰かが オレの握り締めている銃に触れようと手を伸ばして… オレは 其の手を振り払う。
思わず 意識するよりも先に 無意識に振り払っていた。

「お前の母は銃に拠って 手折れたのだろう 其れなのに銃を手に取るのか。」
淡々と事実を述べる 誰か。
オレは 其の誰かに応える。
 … そう 母は銃社会の犠牲 銃社会の矛盾に落ちてしまった。
   銃を肯定する事は 両の手を赤く染める恐怖を受け入れる事なのか…

誰かかは… オレは… オレは… 其の両の手に鈍い光を抱きかかえていた。
重い苦しい 苦い薬を呑み込んだかのような 重い重い感覚が 体の奥底から湧き上がり 咽喉元をせり上がり
口唇から零れ落ちる。

 … オレは

オレは オレでしかないと言う 至極単純な事を確かめる為に 此処に来たのか…


オレの両の頬には 幾筋かの涙の伝い落ちた跡が残っていた。

 
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category: 美しい世界 美しい時代

コメント

07:10に拍手コメント頂いた方 へ

 こんにちは。
今日は 肌寒い雨が降っているよーーー 
猫達も 何となく寒いのか 固まって丸くなっているよ。

うん 無理しないでね 暇な時にでも遊びに来て!!!

拍手コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/04/21 15:37 | edit

重苦しい夢ですね。
夢って本当にその時の精神状態を反映する映写機のようで。
尋は、深い森に迷い込んでいるのでしょうね。
手には、身を守る武器ではなく、敵を握って。
その鉄の塊を、尋はこの先どう使うのかな。
森を抜けられる道しるべが見つかるといいですね。

ちなみに私は、週一で迷う夢を見ます。
どう頑張っても家に帰れない。あるいは目的地に着けない。
何時間も電車やバスを乗り継いで、歩いて・・・。
道に迷う夢は、本当に辛くって、もう見たくないんですが><

URL | lime #GCA3nAmE
2014/04/21 18:27 | edit

limeさん へ

 こんばんは。
夢って 夢なんだけど疲れるのですよね。
ほんとに 幸せな夢をみると一日気分がいいし… 不気味な夢は辛いし…
夢って形のない幻でありながら 影響されますよね。
うん 尋は鉄の塊を作り変える事も 捨てる事もできなくて 其の儘抱いているのですよね。
尋は森には必要ないモノを持っていて 適応できない。

僕は よく夢から覚める事が出来ない夢を見ますね。
夢から覚めたいのに覚める事ができない 覚めたと思ったら 其れも夢で… と言った感じを延々と続ける夢。
凄く怖くて 嫌な夢なのです。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/04/21 21:52 | edit

21:11に拍手コメント頂いた方 へ

 こんばんは。
肌寒いですよねーーー こたつなおしてしまったから 寒いよ。
此処数日 シトシトと雨が降っていて どんよりとした空で なんか寒々しい天気で風景で… 綺麗な青空みたいよ。

うん 駅までは自転車 其処からは電車で通っているよ。

拍手コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/04/21 21:57 | edit

この若い青年は、寂しいのかしら・・・?
とても孤独な心理が表現されていると思うわ・・。
誰かに「自分」を分かって欲しいのに、両親はもういない・・。
少なくとも彼に取っては、よりどころである「親」は「居ない」。
自分の拠り所すら、分かんなくなって根無し草になっているような感覚なのかしら・・?

よく分からないけれど、若い頃に似たような感覚を経験したことあるような・・。

URL | ペチュニア #-
2014/04/21 23:13 | edit

ペチュニアさん へ

 こんにちは。
うん そうですねーー 根なし草のような感じですね。
自分を確認したいのに 確認する術がなくて足掻いている。

おそらく 寂しいとすら感じていない。
でも 一人でいる事が心地いい訳でもない でも… 誰かに助けを求める術も知らない…
凄く不器用な 蒼く生真面目で… まだまだ思考の幅が狭い青年なのですよ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/04/22 17:03 | edit

「さぁ 其の鉄を使い易い様に作り変えてあげるよ。」
・・・鉄の使いようですか。
確かに色々ありますよね。
鉄というのは。
物事色々使えるというのをモノの視点から見るとそれはそれで楽しいですよね。

新連載始まります。
・・・と言っても、今回はウゾさん向けではないか。。。
まあ、見たかったら見てくださいませ。
('ω')ノ

URL | LandM #-
2014/04/22 20:46 | edit

L and M さん へ

 おはよう御座います。
おおっーー 水仙ですねーーー。
少し大人の渋い 恋愛ものなのでしょうか。

まぁ 此の青年は鉄を作り変える事を拒否したのですよね。
此処では役に立たないのに 役に立つモノへと変える事が感情的に嫌だった。
理性で解っていても 感情は嫌状態ですね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/04/23 06:52 | edit

う~ん

ここからどうなるのかしら、どの方向へいくのかしら、という分岐点のように感じられました。心、感情が動く直前、嵐の前じゃないけれど、今まさに分岐点。
そう言えば、うちの真の叔父さんがアイヌの女性と結婚していて、その子ども(兄妹)がそれぞれ違う道を選んでいくというエピソードがいずれ出てくるんですが、これ、実はあるアイヌ人と倭人(って変かな?)の間に生まれた実在の兄妹の話を聞いてイメージにしたものでした。
ウゾさんのこのお話を読むと、いつもそれを思い出す。
答えはひとつじゃないから。でも、自分が選び取った答えは自分の真実だから。それはどんな答えでもね。
でもこれは選んだ後で言えること。選び取るまでは……本当につらい道のり、ですよね。
頑張れ、尋くん。

URL | 大海彩洋 #nLQskDKw
2014/04/24 06:59 | edit

大海彩洋さん へ

 こんばんは。
そうですねーー 尋青年は不器用ですから 夢でしか自分の本心と向き合えないのですよね。
僕も アイヌの方とアメリカの原住民の間に生まれた女性の方に会った事ありますよ。
如何言う経緯で知り合ったのだろうと 不思議ですが 其の女性の方は 極々普通の感覚のアメリカ人でしたね。

うん 後一回か二回で終わりです。
尋は選択するのですが 選択しなかった方を選んだ人物も出てきます と言うか… 既に出ているのですがね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/04/24 18:08 | edit

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