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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

もう一度 何時かを信じる頃 2  

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学園モノ 続きです。

興味のある方は 下記からどうぞ。

   もう一度 何時かを信じる頃

「… と言う訳で 明日の十時に …駅の南改札口に集合 遅刻厳禁だからな。」
一学期最後の日に 木津川は皆で 受験予定の高校を こっそりと見学に行こうと誘ってきた。
皆と言っても… 私の幼馴染である木津川と芳井と そして 私 冬湖の三人だけなのだが。

「学校主催の体験入学は 如何しても堅苦しいし… 実際が見えないからな。
学校の建物の中には入れないが 何となく雰囲気を感じ取れるだろう。
まず初めは 一番遠い …… から そして 一番最後に 冬湖が受験するかもしれない …高校。」
木津川がてきぱきと話を進めている。

受験を現実として感じ取れない私の為に 計画してくれたのだろう。
木津川は 何時も何時も 優しい。

「…高校の近所の満腹軒 ここでラーメン食べようぜい。 量が多くて安くてうまい 最高だよな。」
芳井が眩しいような笑顔で 屈託なく楽しそうで。
「ひょっとして… 芳井直紀氏の 高校選択理由は 満腹軒のラーメンではないですよね まさかですよね。」
木津川はふざけた言葉でありながらも 表情は真剣に心配していて 其のアンバランスさが人の良さを露呈している。
「あああっ メシが美味いって大事だろう。」
芳井は 何をいまさら言っているのだと 呆れたように断言する。
「冬湖 何か言ってくれ。」
木津川が手におえないと 助けを求めてくる。
「確かに 食事は大事だな。」
「ああっ 冬湖が裏切った。」
そう 子犬のようにじゃれ合って 楽しかった 確かに楽しかった… 其の優しさが苦しかった。

「俺 味噌 もやし増量 あと ぎょうざ二人前 木津川と冬湖はどうする。」
予定通り 木津川と芳井の受験予定の高校二校は 建物には立ち入れなかったが 外からでも活動する様子を
それとなく見学して 其れなりに雰囲気を掴んだ。
そして 芳井絶賛の満腹軒で昼食を楽しみ 後残すところ 私が受験する予定の…高校の見学となり
地元の高校の為 後は帰るだけの様なもので 気楽に満腹軒を楽しんでいた。
「私は… 塩ラーメンで。」
「ふっふふふ 甘いね諸君 此処は醤油ラーメンだろう。」
木津川のテンションが おかしい。
そう 後は地元の 私が受験予定の高校だけだった。

…駅から歩く道は 日を遮るモノがなく ジリジリと痛いほどに肌を焼く。
朝夕は セミの声が降り注ぐ様に絶え間なく なのに 昼間は静まり返って 静寂が痛い。

校庭の隅に 鳥がいた。
昔の ずっと昔の… 自分が鳥だと信じていた頃の 両の腕を広げて風を感じていた頃の私がいた。

「すいませーーん 此処の学食って美味しいですかーー。」
芳井が 繰り返し繰り返し 棒高跳びに挑んでいた 在学生に声をかけて さも重要な条件だとばかりに
聞いている。
「ああっー 中々美味いよ お勧めはコロッケ定食。」
在学生は人懐こい笑顔で 振り向きざま答えて 其の儘 走り去ってしまった。


オレは知っている。
鳥は 塀で囲まれた安全な四角い空ではなく 危険でもいい限りない空で 翼を広げたいと望んでいる事を。
オレは… オレはそれでも 守ろうと思ったのだろう。 

 
 
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category: 何時か

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コメント

お早う御座います。
お写真の黄色い花、なんだろ?可憐なお花です。

ウーーム・・。
美味しそうなラーメンだな・・。
最近ラーメンやギョウザ食べていないんで・・。
高校の頃の学食はラーメンが美味しくて、おばちゃまの時代はなんと1杯90円でした☆
でも、母親が毎日お弁当を作ってくれるんで3年間で2回程しか食べれなかったです↓
お弁当・・母親の愛情なんですが、たまには「自由」も欲しかったな。。なんて贅沢な事を考えていましたよ(笑)。

親ってありがたいけど、すこーーし過干渉だったかな・・?
でも、結局、自分もそんな所あるんですよね、子供に対して。
  ↑
記事のお話とあんまり関係なくってスミマセン★

URL | ペチュニア #-
2014/06/24 06:37 | edit

ペチュニアさん へ

 おはよう御座います。
うん 近所の空き地のような… 微妙に手入れされてる様な… 場所で咲いていました。
うんうん 弁当って 冬場とか冷たいですからね。偶には暖かいモノが食べたい。
弁当を暖かい状態に保存できる装置のある学校も あるらしいのですが…
何処なのだろう…

うん おそらく… 親にとって子供は幾つになっても子供なのでしょうね。
子供は何時までたっても 頼りなく見えてしまう そーゆーモノなのでしょうね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/24 07:16 | edit

楽しげにワイワイと学校見学・・・のように見えて、それぞれの胸の内は、少しだけざわつくものがあったりしそうな。
外から見ただけでは子供たちの心、悩みって分からないんですよね。
子供同士だってきっと。
木津川君の中にあるのは、恋に似たものなのかな。

あ、冬湖という苗字は、なんと読むのでしょうか。
今頃きいてごめんなさい><

URL | lime #GCA3nAmE
2014/06/24 07:20 | edit

・・・・。
・・・・・。
・・・・・・・。
このサイトで味噌や醤油ラーメンと言われると、
ネコを煮込んでいるラーメンとしてか思えない。
・・・いや、ものすごいどうでもいいことですね。
失礼いたしました。

(-.-)

URL | LandM #-
2014/06/24 07:47 | edit

lime さん へ

 こんにちは。
うん 此の頃って 表面上は凄く親しくても 中々本当の感情は語らない。
親友とか そーゆー言葉を使いながら 大事な話や悩み事は一人で抱え込んで…
此の頃って 自分の感情や悩みを言葉に置き換えて語るのが 凄く下手で 稚拙で もどかしいのですよ。
だから 語らなくなってしまう。
木津川はね… 恋と言うよりも… 何だろう 自分とは違うモノへの憧れ????

冬湖は 其の儘 とうこ でいいです。
何というか 彼女のイメージで作った名なので 実際にはなさそうですが… イメージが固定化してしまって 其の儘使ってます。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/24 17:08 | edit

LandMさん へ

 こんにちは。
そうですよねーーー 此のサイトで 味噌とか醤油とかもちとか言ったら猫ですからねーー
僕も書いている 猫だなぁーーと思いました。

猫が肉球でラーメンを運んできてくれる でも 猫舌だから 既に冷めているラーメン…
かわいいけど 嬉しくない店だなぁ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/24 17:12 | edit

こんばんは。

思春期って、色々と抱え込む時期ですよね……
他人を信じる信じない以前に、自分自身があやふやだったりしますし。
変化の時期の不安定さをウゾさんの物語から窺うことが出来て興味深いです。

結末、どうなるのでしょうね……?

URL | 栗栖紗那 #T7ibFu9o
2014/06/24 22:14 | edit

栗栖紗那さん へ

 こんばんは。
うん やっぱり幼いのですよね。
自分では 随分と成長したつもりでも まだまだ幼さない。
そして… 自分が傷つきやすい為に自分を守る為に過剰防衛になっていて 人が傷つく事には鈍感で 攻撃的だったり。
物分かりが悪くて 理性よりも感情が暴走したり… 面白い時期ですが書き表すのは難しいですね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/25 18:25 | edit

19:12に拍手コメント頂いた方 へ

 おはよう御座います。
うん 高校受験の頃って まだまだ子供ですからねーー
失敗すれば世界が終わる様な感覚で 精神的に追い詰められている。
そうして 今まで小学生 中学生と横並びでやってきたのが 明確に順位づけされる。
まだまだ幼いから… モヤモヤも吐き出せないし辛いのですよね。

此方は 梅雨なのにあまり雨 降らないです…
毎日 暑いです。

拍手コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/26 07:30 | edit

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