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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

もう一度 何時かを信じる頃 3  

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味噌が出荷待ち していました。

学園モノ 取り敢えず続きです。
続きから どうぞです。


      もう一度 何時かを信じる頃

「まず 暗記で何とかなる処は きっちりと覚える。まず 其処からだ。
社会科は 結構 偉人の肖像画や写真 有名絵画 其れに歴史的建築物の写真を載せて 此れについてどうたらと
問うてくる。
有名処の建物 肖像画 絵画もあらかた 覚えて置く事。」
部屋を吹き抜ける風が心地よく… 木津川は芳井の家庭教師となり 受験に向けて対策を立てていた。

「何時も 悪いねーー お昼ごはんカレーだけど 食べていくよね。」
「あっ おばさん 有難う御座います。」
芳井の母が 冷たい麦茶を持って 一時の休憩を促す。
「はいはい 出て出て。」
芳井が邪険に扱うが おばさんは 鷹揚に笑い世間話を続ける。
「大変でしょう 出来の悪い子で…」
「いえ オレも幼馴染が 卒業後行き場を失くして 卒業後の進路先が家事手伝いと書かれるのは 
忍びないですから。」
「ひでぇーーーーー。」
芳井は 大げさに頭を抱えてのけぞって見せる。
あははっ 確かにね とおばさんは笑い お昼のカレー 楽しみにしていてと言って部屋を出て行った。

麦茶の氷が 涼しげな音をたてている。
一時の静寂… 部活帰りの集団なのか 華やいだ声 自転車の走り抜ける音。
気まずい沈黙…

「なぁ 冬湖はどうしてるんだ。」
「おやぁ 芳井直紀氏は他の人物の心配が出来程 余裕がありませんよ。
其れに… 冬湖は受験当日欠席でもしない限り 余裕で合格するよ。

… あの場所に 行っている。」

「この暑い中… 冬湖って陸上に興味あったか。」
芳井は納得いかないと言った風情で 疑問を吐き出す。

「芳井お前でも 太宰治って知っているだろう そして 其の太宰治は愛人と心中した事も。
其の太宰の奥さんがね… 自分の旦那と一緒に死んでしまった 愛人に感謝するんだよ。
私は 一緒に死ぬことはできない と… そう言う事だよ。」
芳井はどうしても解けない数式を突きつけられたかのような表情で 困惑している。

「芳井 お前は 身も心も大好きで大切な人が出来たらどうする。
そして 其の人も お前の事が大好きで 大好きで… 皆がお前たちを祝福していて 何の障害もないとしたら。」
芳井は嬉しそうな顔をして 語りだす。
「いいなぁ 其れは勿論 二人で幸せな家庭を築いて 健やかなる時も病める時も一緒にいて 
死が二人を引き離すまで一緒にいるよ。」

「芳井 大好きだよ。お前の馬鹿みたいに単純で明朗な所 好きだよ。」
オレはふざけた言葉で 全てを誤魔化す。

「あっ そうだ昼ごはんの後 冬湖の様子 見に行こうぜぇ 冷たい飲み物持って。」

そう言う事だ。
冬湖は女 そして あの鳥も女 
もし あの鳥が男であったのならば 容易だっただろう 
でも 女だ… 性質が悪い 皮肉だな。

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category: 何時か

コメント

そっか

冬湖は陸上(している誰か)を見るために日参しているのですね。
いいなあ、そっちに意識を完璧に持っていっていても、受験に行けば受かるっていうくらい余裕な成績。

木津川は妙に達観している。この子は冬湖の様子に胸がざわついたりはしないのかなあ。

芳井くんとお母さんのほのぼの、なんだかとってもほっとします。
カレーと麦茶って、日本の夏ですね!

URL | 八少女 夕 #9yMhI49k
2014/06/26 04:47 | edit

八少女 夕さん へ

 おはよう御座います。
うん あの高校見学の時にあった鳥に思えた コロッケ定食を勧めてくれた陸上部の女性ですね。
冬湖って もっと頑張れば もっと上にと言う欲が薄いのですよ…
此の年頃のギラギラに脂ぎったような処が あまりない。
其れが ある意味凄く普通の感覚の木津川には感覚として理解できなくて… でも 理性では自分とは違うと言う処を分かっている。
木津川も 結構成績優秀なのですが 凄く努力の人で… 
うん 冬湖はけっして 自分の方を見ないと分かっているのですよね だから 達観と言うか 諦めていると言うか…

うん 芳井は癒し枠ですねーー こーゆー奴がいないと此の幼馴染グループは崩壊する。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/26 07:19 | edit

冬湖はどこにいるんだろう。あの場所?
ウゾさんのコメでやっとわかりました。
前話で本の数行出てきた学生なんですね。
鳥かあ・・・。結構重要な位置に居た人だったんだ。

>あの鳥が男であったのならば 
というのが気になりますが。女だと冬湖には辛いことになるのかな?
木津川の心が達観過ぎて、まだまだ何を思っているのか読み切れないけど、彼にしか分からない冬湖の悩みが、このあと分かってくるのでしょうね。
単純でわかりやすい芳井くん。この話には必須ですね^^


URL | lime #GCA3nAmE
2014/06/26 17:26 | edit

07:06に拍手コメント頂いた方 へ

 こんばんは。
うん 今日は夕方から雨が降って 久しぶりに少し涼しいよ。
うん また暇な時にでもね。

拍手コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/26 20:17 | edit

lime さん へ

 こんばんは。
そうです 彼女が遅れてきた 重要な登場人物ですね。

うん 鳥が男であったらと言うのは… 冬湖もですが木津川にとってもでしようか。
妙に木津川が達観している様に見える理由にも 絡んでくるのですが…
木津川にとって冬湖は自分とは違うと 其の違う理由を性別の違いだと思い込みたいのですよ。
でも 木津川はもっと根本的な処が違うと分かっていて でも認めたくなくて 逃げている。
冬湖が 鳥の様だと過去の自分を重ねてみてしまっている彼女…
彼女が男であれば 単なるよくある恋愛感情だと思う事が出来るが 其れであれば 性別の違いだと思い込みたい自分の感情が矛盾する。
でも 実際は女性で… 恋愛感情ではなく もっと過去の自分の欠けた部分として惹かれていて… 木津川にとっては 凄く疎外感を持ってしまう。

うん 芳井… いい奴です。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/26 20:36 | edit

こんばんはー☆
心理描写が凄いなーって思います。
単純なおばちゃんは、こんな青春は無かったっていうか、ワカンナかったです★
ウゾさんおコメ返事でようやく状況が掴めている所です。
なかなかこの年代の、真面目に自分を見つめる若者達のなんとも言えない雰囲気が
あります。

あーー、ゴメーーン★
芳井君よりも「単純」です↓

URL | ペチュニア #-
2014/06/26 22:54 | edit

ペチュニア さん へ

 こんにちは。
うん 解んなくていいと言うか まだ書いてない部分だしね。
此れから徐々に小出しで…です。
此のぐらいの頃って 妙に真面目過ぎたりして 如何でもいいと笑い飛ばす心の余裕がなかったりするのですよね。
自分で自分を縛り付けてしまって 雁字搦めになってしまったり…
厄介なころですよ。

うん 芳井は存在するだけで癒しになるタイプですから こーゆー奴は大切です。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/27 16:26 | edit

21:23に拍手コメント頂いた方 へ

 こんにちは。
芳井はね 感情も希望もやりたい事も 全て同じ方向を向いている様な奴だから。
躊躇いとか あまりないのですよね。
一緒にいたいから 一緒にいる そーゆー奴だからね。

今日は一日雨が降ったよ 今… ムシムシと暑くなってきた…

拍手コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/27 16:32 | edit

おぉ

2話続けて拝読しても、冬湖さんの「彼女」が誰なのか(なんか変な表現だな)、コメントを拝読してやっと分かりました。
いや、周りの男子生徒諸君がなかなかいいやつで、目が向いていなかったのね。失礼いたしました。
勉強のコメントがなかなかリアルで、こういう細部が現場を離れてしまった我々年寄りには書けない部分ですねぇ。姪にゆっとこ。写真とかちゃんと覚えとくように。
そうかぁ。うちは女子高だったので、恋愛未満友達以上の感情って多かれ少なかれ持つ人っていた気がします。でもそれって別に深い意味はなくて、麻疹みたいなもの? 一度かかって免疫ができたら後はどうってことないって感じで。でもその最中にいる人には大きな感情なんですよね。不思議です。
……うちの姪のちぐはぐ状態をウゾさんに何とかしてほしいわ。言ってることとしてることがバラバラ過ぎて……そんなものなんでしょうけれど。はぁ~~~

URL | 大海彩洋 #nLQskDKw
2014/06/28 16:48 | edit

大海彩洋 さん へ

 こんばんは。
うん 冬湖も陸上部の人物が 女性でも男性でも 如何でもよくて たまたま 女性だっただけなのですよね。
だから 男性だったとしても 恋愛感情には発展しないし 特別に態度が変わる訳ではない。
冬湖にとって 鳥に見えたコロッケ定食女性は 自分の魂に近いと思ってしまった…
何というか… 此の頃の女の子って 女の子同士で手を繋いでいたり そーゆーのが当然で… あの感覚は男子からは不思議ですよ。

うん 微妙にねーーー 写真でますねーーー
知っていないと 此のオッサン誰だよ????ってなりますからね。
結構 盲点です。
うんうん 本人にとっては バラバラではなくて繋がっているのですよ!!!!
大海さんの姪御さんってだけで 凄く賢そうに思えてしまう…

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/28 19:38 | edit

太宰治ねえ。
・・・どこかの小説家のエッセイで。
その小説家は「ねえ、一緒に自殺しようよ。」・・・と、何度も声を掛けられたらしいですね。かなり、自殺魔だったんでしょうね。なんだか、小説もかなりすごいですが、人生観もすごいのでしょうね。

URL | LandM #-
2014/06/28 20:25 | edit

LandMさん へ

 おはよう御座います。
あははっーー 災難ですね その小説家さんは…
太宰とか中原とか… いや 明治 大正 昭和初期の頃の作家は破天荒で型破りな人物多いですからね。
読者として 作品を楽しむ分にはいいですが 友達となると色々と災難が降り注いできそう…
うん… 小説家とは友達にならない方が 素直に小説楽しめていいのかな。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/06/29 08:15 | edit

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