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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

茜色のひよこ  

P7090023.jpg


台風が一番近付いている頃の空です。

今回の掌編はギャグっぽく書く事も出来るのですが 敢えて 淡々と書いてみました。

色とモノシリーズです。



      茜色のひよこ

 友人が久しぶりに スペインから帰って来た。
美味い酒とつまみをたらふく 持ち帰って来たぞと連絡があり 久しぶりに腐れ縁の連中と集まる次第となった。
VIN~A POMAL GRAN RESRERVA COSECHA… 美しいワインだな オレが感想を述べると
そうだろう 中々に入手困難なのだか お前に飲ませたくて無理をした と…

「トリ 食べれる様になったんだね」 
スペインの家庭料理 トリ肉と野菜をトマトで煮込んだ スペインのおふくろの味と言った感の料理を
小皿にとり 口に運んでいる。
「そうだな… 」
それ以上は 語る気はないらしく ゆるく微笑を浮かべている。

此の友人は トリとの縁が深いのか…
其のトリとの縁は 近所の神社の夏祭りから始まった 友人十歳の夏だ。
そう 今でこそ 動物愛護の精神から ほぼ消えてしまったが 昔は夏祭りの縁日には 各種の動物が売られていた。
金魚 カメ そして 色を付けられたひよこ…

縁日で売られている様な動物は 既に弱っている事が多く 買ってその日の夜 又は 多くは一週間程度で
死んでしまう。
其の為 その様な事情を理解できない幼い子供程度しか 買わないのだが…
友人は 「あの茜色の奴 他のと何か違う」 と言って… 家族総出で止めたらしいのだが 
止め切れなかったらしい。 
唯 本当に 他のと何か違うと言った友人の言葉は… 当たっていた。

其の美しい茜色だったひよこは 予想に反してスクスクと成長して 一か月もすると羽根が生え変わって
白と赤のまだら状態から 真っ白の立派な成鳥へとなり… 卵を産んだ。

そう… 縁日の色付きひよこは 卵を産まないオス鳥で… 鶏肉とするには味がいまいちの為
苦肉の策として 愛玩動物として売り出された品なのだから。
オス オンリーの筈なのだが。

友人は 其のトリをピーちゃんと名付け可愛がり 二日に一度生むと言う卵が 偶に弁当に入っていたり。
トリではあるのだが 友人にとっては可愛い家族の一員となっていた。

そして 大学四年の夏に 其のトリは逝ってしまった。
電話帳でペットの葬儀会社を探し 荼毘に付して骨壺にいれて… 二万円ほどですべてが終わってしまったよと
あっけないねとしみじみと語っていた。

それからだ 内定がほぼ決定していた企業を断わり… 突然 初生ひな鑑別師になると言いだしたのだ。
オレ達は止めた 色々な意味で止めた。
トリが好きならば なおさら止めて置けと止めた。

梅雨末期の激しい雨が 窓ガラスを叩く。
「次はハンガリーの酒とつまみだな」 友人はぼそりと呟いた。


もうすぐ 夏が始まる。 
 
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category: 色とモノ

コメント

ありゃ。たしかに鳥が好きなら初生ひな鑑別師はまずいですよね。半分は「さよなら」に直行させる、あのお仕事。

連れ合いの叔母、農家で鶏やウサギをたくさん飼っているんですが、自分で絞めて持ってくる。昨日まで餌をやっていた鶏が調理されるまで、全部一人で淡々と作業する。とってもいい方だけれど、そういうのも慣れかななんて考えつつ、私もその鶏を食べちゃったりして。人間の業なのか、動物が生きるとはそういうものなのか、考えてしまいます。あ、そういう話ではありませんでしたね。

ハンガリーのトカイワインは美味しいです。あ、そういうお話でもありませんでしたね。

URL | 八少女 夕 #9yMhI49k
2014/07/12 04:50 | edit

八少女 夕さん へ

 おはよう御座います。
そうですよねーーー 好きならば 好きだから… 選んではいけない職業ですよね。
普通の職業について 休日には山にでも行って バードウオッチングを楽しみ その程度が楽しいと思える好きなのに…
其のラインを超えてしまうと 楽しさよりも 辛さと苦しさが増えてしまう…

あははっーー まぁ 何ってない 淡々とした話ですから… 特別に何ってないですね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/12 07:51 | edit

鳥……

確かに、縁日のヒヨコには独特の思い出を持っている人がいますね。
私の三味線の姉弟子(滋賀在住)のところにも縁日ヒヨコの成人ニワトリになったのがいます。残念ながらしっかりオスで、卵も産まないからやかましいだけらしいですが、何だか家族の一員状態だそうです。
うん、滋賀県の田舎ならありかな。
でも、都会だったら……あれこれ切ないことを思ったりしたのでした。

『鏡』だったか、タルコフスキーにも出てきましたね。鳥を捌く?シーン。
生きるって……この捌くってところから始まるのかな。
そう言えばこの間マグロの解体ショー記事にコメントを下さった○○さんが、マグロを捌く人はネクタイをして正装なんですね、と言っておられましたが、命を頂くってのはそういうことなのかなぁ……
あれ?話が変な方へ行ってしまった。

そうそう、こちらは卵を産んでくれたので、ちゃんと益があったし。
でも、茜色という部分に、そしてそれがヒヨコ、という部分に、何だかあれこれ想いを巡らすお話でした。
この色シリーズ、いいですね(*^_^*)

URL | 大海彩洋 #nLQskDKw
2014/07/12 09:35 | edit

短いけど、なんだか強烈にその友人を物語っていますよね。
そのぴーちゃんの存在、友人にとっては何か衝撃だったのかな?
あえて辛そうな鑑定士を選んだ気持ちは私にも分からないけど、きっと何かあったんでしょうね。

カラーひよこは、実際に見たことはないんですが、アジアの国では今でも売られているみたい。(前に小説のネタに使おうとして調べました)
このはなしのぴーちゃんは、可愛がられて幸せだったのでいいのですが、思えば無責任な話ですよね。小さな子供が相手の露店で。
私も小学生の頃、縁日のくじ引きで、アヒルの雛を当てました。
でも足に奇形を持っているアヒルで、飼い始めて1週間で、泳がせていた水の中で溺れてしまいました。
とても悲しい思い出です。

URL | lime #GCA3nAmE
2014/07/12 10:41 | edit

大海彩洋 さん へ

 こんにちは。
田舎では 偶に見られる光景なのですよね。
実際に 縁日のひよこって メスが結構混ざっているのか 卵産んだ話は 聞きますからねーー

そうですね 僕の祖父世代になると 普通に家で飼っていたトリを普通にさばいて 食べていましたからね。
可愛がっていたモノを さばき 其の命をいただく 普通の事だったのですよね。
其の頃は 人も家で亡くなる事が多かったし… 死と生が近かったのですよね。
今は そーゆー生々しい事には蓋していますからね。
食育といって 過激な事をするのは如何かなぁと思いますが 幼い子供の頃には 蟻とかと戯れる事があった方がいいように思えるよ。

うん 此の色シリーズは まったく続きを書く予定のない 断片シリーズですから ある意味 凄く無責任に書けて 気楽に書いています。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/12 16:39 | edit

limeさん へ

 こんにちは。
うん 何があったのか 何故そーゆー方向になったのか…
友人は 語る気なさそうですからね…

うん カラーひよこって 色を付けた後 熱風で乾かす為に弱ってしまうらしいですね。
そして 色々な色があるから… 色々な色が欲しくて 色なしのひよこよりも よく売れるとか。

うん 最近は 動物愛護の精神と言う事で 色を付けて売る事は 日本では 略消滅状態で… いや 普通に黄色いひよこ可愛いから 其の儘でいいですよ。

そう言えば 僕の近所の 小さな貯水池で縁日ですくった金魚を放つ人が多いらしくて… 大量に金魚が住み着いている…

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/12 16:47 | edit

これはこれで趣がありますね。
私はこういう淡々とした描写の作品も好きですよ。
物悲しい、だけど、心に浮かぶ光景が素敵です。

URL | LandM #-
2014/07/12 20:34 | edit

鳥を愛しています

 こんにちは。
 鳥は良いです。見ても聞いても、食べてもΣ(@д@;
 幾ら動物愛護を叫んでみても、食べる時には〆なきゃならんし、そこは割り切るしかないですなぁ。私たちが出来るのは命を頂いてるんだと言う自覚を持って、粗末にしない事くらいでしょう。食べ残しはいけません。宴会の残飯の多さはホント考えなければなりません。
 序に言うと、大食い選手権みたいなものも本当はどうかと思いますね。無駄に命を消費している訳で、感謝の気持ちなんかぶっ飛んじゃってますからね。

URL | miss.key #eRuZ.D2c
2014/07/12 20:45 | edit

LandMさん へ

 おはよう御座います。
有難う御座います!!!!
癖なのか どうしてもお笑いに走ってしまうのですが… 偶には静かなモノもいいかなと 雰囲気を多少変えてみました。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/13 07:33 | edit

miss.key さん へ

 おはよう御座います。
そうですよねーーー トリは美味しいですよね。
人が出来る事は なるべく苦しくない様にさばいて ありがたく頂くですよね。
そー考えると さかなクンさんは 凄い!!!! あれ程魚好きで その一方で ちゃんと魚の食べ方も語る。

確かにねーー 大食い選手権って何なのでしょうね。
ガツガツ食べる姿は 美しい訳でも爽やかな訳でもないし…
とても 体に悪そうだし… 目的が解らないですよ 何がしたいのか。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/13 07:43 | edit

19:14に拍手コメント頂いた方 へ

 おはよう御座います。
うん 花火見て来たよーーー 華やかだったよ。
今年は色々な形の花火が 打ち上げられていた。
タコやイカ 猫に アヒル ニコニコマークにハート型 面白かった!!!!
花火の写真は難しいね 上手く撮れなかったけど また載せるつもり。

うん ひよこの鑑別師になったのは 色々と含めてトリに関わりたいと思ったのかなぁ…

拍手コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/13 07:58 | edit

お早う御座います。
ウーーム・・・お友達が鶏を食べれなかった理由が解ります。
で、結局、違うお仕事をなさっているのね。
鶏鑑別の眼力はお持ちだったとは思うのですけど、そういうのとは違うわね。
何となく「人生」そのものをこの短いお話からかいま見るような所あります。
時々立ち止まりながら、淡々と生きて行く人間の姿みたいなね。

URL | ペチュニア #-
2014/07/13 10:12 | edit

ペチュニアさん へ

 こんにちは。
うん 何気ない人の何気ない人生の一コマ。
凄く劇的でもなく 普通で でも 当人にとっては とても思い出深い そーゆー一コマです。
そうですね ふっと立ち止まって ふっと色々と思う。

うん 此の友人 結局ひよこ鑑定士になったのか なってないのか…
何方ともとれて 明言していないですからね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/13 16:57 | edit

トーナメントに投票してきました。
私は、「若きハロルドの冒険」よりも、こっちの方が好きです。

ひよこの鑑定士って興味あります。
視力が命だから、長くはできないらしいですね。
それと、若くなければ駄目らしい。
井上ひさしの弟さんがそうらしいです。

URL | しのぶもじずり #em2m5CsA
2014/07/13 18:22 | edit

しのぶもじずりさん へ

 こんばんは。
有難う御座います こっそりと参加していたのですよ。
偶にこーゆートーナメントに参加して 訪問者さんを増えたらいいなぁと… 

やはり ひよこ鑑定士は 国内ではあまり仕事がなくて 海外での就職多く
そして 速さと正確さが何より必要だし 結構難しい資格のようですね。

本当に何も起こらない 普通の人の普通の人生 地味ですがこのようなモノもいいかなと書いてみました。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/13 21:05 | edit

私ね、
似たような経験があるの。

ただ色つきは、なんだかヒヨコらしくなぃという気がして、
ヒヨコ色の淡い優しぃ黄じゃなく、
鮮やかなイエローのヒヨコを買ってもらったの。

結構、生きて、黄色が段々白っぽい黄色にになって、
ほぼ白くなって、トサカが出てき始めた頃、
近所の太ったトラ柄のノラにやられてしまったけ、、、

ちなみに名前は「ピヨちゃん」


夏の縁日の頃になると思い出すな。。。


URL | レイまま☆ #-
2014/07/15 12:19 | edit

レイまま☆さん へ

 こんばんは。
うん 最近は色を付けていない 其の儘のひよこを売っていたりしますね。
近所の子の縁日で買ったひよこが大きくなって… 庭先で放し飼いされていたため 結構気の強い 逞しいにわとりに育っていましたね。
その子 動物が好きで 色々と拾ってきては飼うと言うタイプだったのですが… にわとり… 凄く気が強かった…

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/15 18:58 | edit

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