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百鬼夜行に遅刻しました

 オリジナルの小説を中心に 偶にゲーム 時々映画 稀にミステリー 膝には猫で お送りしたい所存です。

もう一度 何時かを信じる頃 4  

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暑いーーーー ほんとに暑いーーー

取り敢えず 学園モノ続きです。

下記から どうぞです。



       もう一度 何時かを信じる頃

 「冷たぁーーい 冷たぁーーい レモンティーは如何ですか。只今 無料でサービス中。」
芳井が さお竹売りの節で一節を吟じ乍ら 水筒から紙コップへ注ぎ入れ冬湖に手渡す。

冬湖は 予想通りに… あの場所にいた。
金網越しに 鳥を見詰めている オレは何と言って話し掛けたらいいのか 言葉を失う。

「んっ どうも… 。」
冬湖は芳井から紙コップを受け取り 眩しそうな微笑を浮かべて レモンティーを飲み干す。
微かに上下する咽喉が 妙に煽情的に思えて オレはたまらなく視線を逸らす。

「ほらっ あの腕が 風のようで。」
冬湖が 自身に言い聞かせているのか 其れとも 馬鹿げていると思いつつも オレ達に説明しているのか
言い訳したいのか…
何方とも取れる様な 低く細い声音で呟いている。
真夏の 暑い暑い 白昼夢が漂いそうな程に暑いのに いや だからだろうか 冬湖の周りだけは陰が深く
冷たく感じた。

「コロッケのお姉さーーん 一緒に走ってもいいですかーー。」
朝から受験勉強の為 強制的に机に貼りつかされてい為か 芳井は体がウズウズするらしく
思いっ切り走りてぇーーと叫んで 騒ぎ出した。

「おっ 体験入部 大歓迎だよ。是非是非 此の高校合格の折には 入部してね。
人数少なくて 寂しいんだよ あっでも アットホームな部だから馴染みやすいと思うよ。」
あの コロッケが美味いとお勧めしてくれた鳥は 金網に貼りついていた部外者を 気さくに招き入れ
部活紹介を始めた。
屈託のない笑顔の向こう側を 推し量ろうとしてしまう オレ… つくづく 嫌な奴だなと苦々しくて
わざとふざけてみる。

「いえいえ 此の哀れな脳筋君は とてもとてもこの高校の合格圏には とどきそうもないのですよ。
此の高校受験予定は 此の学年一の秀才 冬湖女史ですよ。」
冬湖は 突然 自分の名を呼ばれた事に戸惑い 視線が漂う。

「じゃあ そっちの女の子も 是非是非 一緒に走らない。
合格の折には 是非是非 陸上部への入部を考えてくれるとうれしいなぁ。」
屈託のない笑顔に屈託のない声音  綺麗な 妙に明るい 明るすぎる横顔。

ああっ… オレは解ってしまった 理解してしまった。

此の鳥は冬湖と同類 オレとは オレ達とは違う。


   
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category: 何時か

tb: 0   cm: 9

コメント

いいなあ、ウゾさんの描く学生たち。
すごく不安定なところを漂ってる感じがして。
特に大きな不幸や過去を持っているわけではない彼や彼女が、とても危なっかしいところにいるような気持ちにさせます。
冬湖がなんだか遠い存在に思えてきてしまったんでしょうか、木津川くんは。
彼はそんなに、冬湖と自分が違うと感じちゃうのかなあ。
それとも冬湖に、そう思わせる何かがあるのか・・・。

URL | lime #GCA3nAmE
2014/07/16 21:28 | edit

こんばんはー☆
物語の展開楽しみです。
どうなって行くんだろう・・・。

水たまりのお写真、何となく怪しげな感じがして面白いです。
魔法の国?の真っ黒い森から空が覗いている・・見たいにも見えますね。
眠りの森の美女の魔法使いが住んでいそうな・・・。

URL | ペチュニア #-
2014/07/17 00:17 | edit

lime さん へ

 おはよう御座います。
うん 中学生って不安定ですからねーー 大きな悩みではなく 友達や勉強の事 人生の道行きから見れば 些細とも思える様な悩みで ぼんやりと不安で。
友達 友達と言いつつも 悩みを話す事もあまりない と言うか… 自分が何故不安定なのか 解ってない。
凄い危機感がある訳ではなく 何となくなのですよねーー 面白いです。

うん 木津川も何故 冬湖が違うと思ってしまったのか 其れも解っていない。
此れも ぼんやりとして 輪郭のはっきりしない不安なのですよね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/17 07:21 | edit

ペチュニアさん へ

 おはよう御座います。
うん 次回はこの場面の続きから 二人走ります。

台風の日に撮った写真です。
眠りの森の美女ですかーー実は ここ 醤油と味噌の兄妹が捨てられていた場所なのですよ。
だから ヘーデルとグレーテルの森かも!!!

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/17 07:26 | edit

19:33に拍手コメント頂いた方 へ

 おはよう御座います。
うん 自転車で走っていて ふっと撮ったのですが 思っていたよりも面白いモノが撮れたので載せてみました。
と言うか… あなたの写真で水に写った花とか 木々とか色々と素敵な写真があったでしょう あれの真似っ子ですね。
あーゆー繊細な感じの写真撮ってみたいなぁと… それが 何故かこーゆーダークな感じのモノになってしまいました。

拍手コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/17 07:31 | edit

鳥になりたいのは冬湖じゃなくて木津川くん本人なのかもしれませんね。
冬湖が自由に飛んでいくそこへとついていける翼がほしいのかも。そんなことを考えてしまいました。

ああ、冷たいレモンティー、美味しそうですね。
日本もいよいよ本格的な夏なのかな。

URL | 八少女 夕 #9yMhI49k
2014/07/18 01:24 | edit

八少女 夕さん へ

 こんばんは。
ああっーー そうですね 木津川も翼を持って一緒に飛び立ちたいと思っているのか…
木津川と冬湖を守る事は出来ても 冬湖はそーゆー守られるって事を求めてませんからね。

そろそろ 蝉時雨でうるさいですよ。空も 妙に存在感のある雲が浮かんでいて 夏本番ですね。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。

URL | ウゾ #-
2014/07/18 17:54 | edit

・・・・私が中学生の頃は。。。
んん。

一直線でしたね。
恋に。
他学校の人と恋人になっていたので、
自分の中学校には全く興味がなかったんですよね。。。

加えて、不良グループと友達だったので、
滅多に私に話す人はいなかったですからね。。。

URL | LandM #-
2014/07/19 20:21 | edit

LandMさん へ

 おはよう御座います。
おおっーー 中学生って行動範囲狭いですからね それなのに 他学校の人と知り合っていたとは 少し珍しい感じがしますね。

うんうん 今は 如何にもと言った感じの不良グループは少ないですが チャライ感じのグループは多いですよ。

コメント有難う御座いました とても嬉しいです。 

URL | ウゾ #-
2014/07/20 08:12 | edit

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